年配の常連さんのご主人が脊柱管狭窄症を患い、少しでも楽になるのに何か良い方法はないかと聞くので、「トレッキングポール-登山の時など使う両杖・脊柱管狭窄症の歩行訓練に有効」を勧めた。今日来たのでご主人の感想を聞いたら、「あの杖を使うと腕にも来るし、肩も辛い。俺はいらない。」と言っているという。こういう場合、もうこのご主人に対してアドバイスをすることが難しくなる。というのも、年寄りの治療は失敗が許されない。10回の治療で1回でも良くない事があると、「あの先生の治療は痛くて、効かないことがあった」とそればかり言われる。こちらにすれば9回は効いたではないかと言いたいが、それは通用しない。我々からしたら効かない治療は問題だと思うが、お年寄りは、「俺も歳だから効かない事もあるだろう」で終わり、全く問題にならない。だから治療は、「マイナスの治療は許されないが、効果がゼロの治療は全く問題にならない。」しかし若い方は違う。治療で痛みが出たとして、「先生も色々と試している。痛みが出ることもあるだろう、何かで又反応するかもしれない。次の治療をやって貰おう。」という感覚を持っていて、多少のマイナスの反応が出ても許される。しかし若い方に効かない治療が続くと、「もうあの先生、色々とやってくれているけど効果を感じない。もう無理じゃない?」となる。年齢によってこんなにも捉え方が違う。最近はその心理が良くわかってきて、お年寄りがよく効かないサプリなどをやっているが、メーカーに苦情が入ることはない。そのお陰で売れ続けているものも当然ある。最近はそういう心理を理解して、治療ができるようになってきた。
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