これは以前聞いた話だが、「川の手前にカエルとサソリがいる。サソリは川を渡れないので、カエルに『僕は川を渡れないから背中に乗せて向こう岸まで乗せてくれ』と頼むとカエルは、『君は尻尾に毒があって刺すから嫌だ。乗せてあげない。』と言うとサソリが、『絶対刺さない。誓うよ。』カエルは『信用できない。』と言う。それでもサソリは粘って『絶対に刺さないことを誓う。間違いない。絶対大丈夫!!』とあまりに懇願するのでカエルが折れて、『君が刺したら運命共同体で溺れちゃうんだよ。わかってる?』『もちろんだよ。僕も死にたくはないから尻尾を丸めておくよ。』『じゃ乗せて上げるよ。約束は守ってね。』『ほら、尻尾を丸めたから大丈夫。』『じゃ、川を渡るよ。』と言って背中にサソリを乗せてカエルは泳ぎ始めた。途中までは良かったが、川の真ん中あたりにいくと流れが速く、背中に乗っていたサソリも不安定になり、カエルに、『刺さないから大丈夫。このまま泳ぎ切って。』と言っていたが、次の瞬間カエルが流れに負けて、大きくバランスを崩した瞬間サソリも背中から落ちそうになり必死にこらえたがダメなので、気がついたらカエルの背中に無意識に針を刺していた。そして共に川に沈んでしまった。これが『習性』と言うものだ。サソリも刺すつもりはなかったが、状況が変わると本能が出てしまう。」という内容である。これは患者さんにも当てはまる。「少しでも辛いときはすぐに治療した方が良いことはわかっている。でも『何とかなるのではないか』といつも思う。現実問題、何ともならないのに・・・。」毎回わかっているのに同じパターンと思考に癖があり、いつも結果が同じ。そしてこちらが伝える内容はいつも同じ。それも何年も。これが習性である。いつも同じブログばかり患者に送っているのを見ていると、相当何かで懲りれば変わるかもしれないが、あまりこれは治らないものなのだと思う。
■うろ覚えでこの話を書いたら、患者さんから「犬ではなく、カエルです」と指摘され、カエルに変えました。