常連さんが股関節の手術をすることになった。最近は技術の発達と共に、手術成績が格段にいい。昔みたいに入院期間は長くないし、翌日には歩行訓練が始まるし、傷口は小さいし、ずれて人工骨を入れることもない。術後リハビリをしない方もいるぐらいである。しかし患者に糖尿病があると少し話は変わる。血糖値が高ければ血管や感染症、心臓・腎臓などへの負担リスクなど、医者は色々と考えなくてはならない。患者心理として、「手術前に美味しいものをたっぷり食べてから手術にのぞもう。」という気持ちは分からないでもないが、糖尿病がある方はこれは困る。特に白米やパン、スイーツなどは困る。ではこういう場合どうするかであるが、「糖質を抑え、蛋白質と野菜」がいい。お寿司より刺身。刺身は殆ど蛋白質だから、高級魚を食べて戴いてかまわない。そしてサラダは多めにするといい。白米に卵かけご飯を腹一杯食べたいと言われると困る。手術が終われば良いが、実際手術前には色々な事が起こり、手術延期はいくらでもあり得る。以前病院勤務していたときに、肺炎になったり、骨折をしたり、アレルギーが出たり、咳が止まらなくなったりで、医者が手術の延期を考えたケースがあった。手術を担当する先生の頭は股関節のことよりも糖尿病の方が余程気になる。糖尿病がある方は少しその辺の医者の気持ちを理解して戴きたい。
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