病気は治すもの、老いは受け入れるもの

常連さんが、「いろいろな病気は頑張れば治せるけど、老いは治せないから・・・」と言ったので、少し気になった。もちろん治せない病気は多いが、本来老いは治すものではなく、受け入れるものと思っていた。最近はアンチエイジングが進み、若さを保つために色々と研究されていて、皮膚の状態から見た目に至るまで、お金をかければ何とかなる時代になってきた。昔美容外科と言ったら新橋の十仁美容外科ぐらいしかなかったが、最近は大学の付属病院でも扱うようになった。韓国は美容天国で、何故か顔を整形すると皆同じ顔に見えてしまう。おそらく顔の黄金比率みたいのがあり、そこを目指しているのであろう。年をとり、顔にしわができ、髪の毛が白くなり、筋肉が弱くなり、動きも遅くなれば人は老いを感じるだろうが、それを一つずつ受け入れていく中で、「死への準備」が進んでいる事を実感する。昔日本人の平均寿命は50才ぐらいで、還暦などは実にめでたかったわけである。それが今では女性は90才近くになり、30-40年も伸びてしまった。健康寿命と言って、元気なら何の問題もないが、殆ど家にいて何もしない生活なら少し考えてしまう。誰でも死は必ず来るもので、中々受け入れにくい部分はあるのだと思う。しかし親や身内、友人・知人の死を味わいながら徐々に死になれていく過程で、自分の身体が壊れてくると実感が湧く。与えられた寿命が有限だからこそ、老いは受け入れても、健康な時の有り難さは何物にも代えがたい有り難さがある。

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