常連さんが肘痛で悩んでいて、「1回注射を打って様子を見たら」とアドバイスをして、整形で打っていただいてすっかり良くなり、本人は治ったつもりでいた。しかし最近又痛みが出てきて、整形に行ったら、「え、前回から2ヶ月しか経っていないよね。早いなぁ。」と言われて、これはどういう意味だかわからないというので、「医者が打った中身はステロイド。普通は3ヶ月ぐらいもつけど、2ヶ月目に再発は少し早いなぁと言う意味。あなたは治ったと思っているかもしれないが、痛みが取れたのは薬で炎症が鎮まっただけ。治ったわけではない。理想的には薬が効いて炎症が鎮まっている間に、無理をしないで自力で治ればいいが、しかし治ったと勘違いしてしまうと、今までと同じように無理をして、3ヶ月も持たないで又痛みが再発する。医者はその辺を良くわかっていて、『この注射で良くなります。』とは言うが、『治ります。』とは言わないはず。注射で痛みがなくなり、治ったとあなたが勘違いしただけ。」と言う話をした。「え、治っていないの?」と驚いていたが、我々からすると肘の痛みは時々難しい患者がいる。だから注射で駄目な場合はモヤモヤ血管の奥野先生に送っている。以前から、「ステロイドは漂白剤みたいなもの。汚れ(痛み)にはよく効くが、使いすぎると布(身体)がボロボロになる。」と言っている。またこれは股関節のところでも書いたが、皆さんは「腰」「股関節」「膝」の手術を全く同じレベルで考えている。我々は股関節は気楽と思っている。なぜならば最終的には手術で良くなるからである。しかし脊柱管狭窄症や膝の人工関節は中々そうはいかない。股関節の手術後患者は来ないが、腰の手術の後はほぼ必ず来る。場合によっては再手術である。膝も術後は中々一筋縄に行かないことが多い。股関節だけ楽なのである。それと同じで「頚」「肩」「肘」も場所が違うだけで皆同じと見ている。我々は肘痛が来ると、少し眉をひそめる。一筋縄でいかない方がいるからである。そんな治療家の本音を言ったら、「そうなんですか。知らなかった。」と言っていた。