患者さんから、「○○の場合、医者に何と言えばいいか分からない。失礼があってはいけないし、いい治療は受けたいし・・・」という声はとてもよく聞きます。
では下記の場合、皆さんはどう医者に伝えますか?
抗がん剤をもう打ちたくない場合
痛み止めが全然効いていない場合
担当の先生を変えてほしい場合
今まで長い間お世話になっている病院なので、縁は切れないがこの病気だけには関わってほしくない場合
先生が新薬を積極的に薦めてきた場合
今かかっている先生よりセコンドオピニオンの方を選択したい場合
薬を少し多めにもらいたい場合
これは皆様も実際、色々にケースに遭遇されて悩まれていると思います。
こういう問題は昔からあり、私などはこの業界に長いですから、ある程度の判断基準を持っておりますが、あまり医者にかからない人にとっては困った問題だと思います。
仕事柄、こういう話は毎日聞いていて、「それはこう言えば良いのですよ。」とアドバイスしますが、「成る程ねぇ、そういう言葉が出てこない。先生さすが!」と言われますが、これは私の立場が医者と患者の丁度真ん中だからわかるのだと思います。
先日も少し鬱病を患った方が、そんなに悪くないのに医者の診断書が必要なので、先生に何と言ったら良いのかと聞かれ、「それは会社の事情や自分の体調などを正直に話しなさい。あなたの鬱病はそんなにはひどくはないけれど、今の状況で会社に戻ったら間違いなく悪化する。だから戻りたくありませんと自分の気持ちをいいなさい。先生もちゃんとそこは考慮してくれる。でもそういう状況を言わなければ先生もわからないので、『ほぼ治癒』と書いてしまうかもしれない。先生も人なので、ちゃんと話せばわかってくれる。そこを言わないでわかってくれとか察してくれというのは無理な話。」と話した。その患者が言った通り正直に話したところ、「そういう状況があったんだ。大変だったね。いつでも困ったらまた来なさい。」と言われ、ちゃんと診断書を先生が書いてくれたとのことでした。そして先生にとても親近感を感じたと言っていました。医者も人の子なので、医学的に間違ったことは言えませんが、患者の心理は理解してくれます。
先生にしてみると新しい治療法は試したいし、同意のために説明もしなければないません。何かあったら困るし、訴えられたくはない。
結果を残したい気持ちとやらなければならない事情など気持ちは複雑です。
その先生の立場や心理を患者に理解するのは難しいです。
そんな時は是非ご相談いただきたい。