以前から、「だらだら治療するのが一番」と言っている。これは何か難しい病気を抱えた場合によく当てはまる。難病○○を抱えていると、何をやっても治らない。この世に治療法があればいいが、治療法のない難病はいくらでもある。これから先はわからないが、現段階で治療法がないのだから、悩むだけ無駄である。そんな時にだらだら通うとその難病以外が良くなってくる。そうなれば相対的にその病気で悩むことが減る。昔は朝から晩までその難病に悩んでいたのが、周りが良くなれば週に1度、月に1度程度になる。それも実に短い時間。我々から見たらなきがごとしである。しかし患者に聞くと、「治ったわけではありません。」と必ず言う。前より悩まなくなったのだから良いではないかと思ってしまうが、中々そういう気持ちにはなれないみたいだ。これを女性の鼻にたとえてみる。鼻が低いことが悩みで、そればかり気にしている。化粧を勉強して眼がぱっちりしていい見栄えになったとする。そうすると人は、「ばっちりメイクで綺麗」と言うだろう。しかし本人は、「鼻が低いから・・・」と言って、人が指摘しないことまで問題にする。人が綺麗でばっちりと言ってくれているのだから、さぞかし満足と思いきや中々そうはいかないようだ。これは他が綺麗になって鼻の低いのを上手く隠せたことになる。病気も同じように隠せば良い。難病以外が良くなれば相対的になきがごとしになる。それでもまだ、「難病は治っていない」と言うだろう。そんなに重箱の隅ばかり突いていなくても良いのじゃないかと思ってしまうのは私だけだろうか。
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