腰が痛い私が被害者でなく加害者?

常連さんの腰痛があまり良くならない。新しいスタッフの具合が悪かったり、最後まできちんと仕事をこなさないと気が済まない性格で、本人は真面目でちゃんと仕事をしているのに、腰が治らず困っている。この方には、「あなたはちゃんとやっているのに腰が治らず被害者だと思っていると思いますが、実はあなたは加害者なのです。」と言ったら、「え、私が加害者?」と不思議な顔をしていた。理由は簡単で、以前から身体の中の2人という話はしている。「本人の気持ち」と「身体の本音」で真面目な性格な方はちゃんと仕事をしたいので、「身体の本音」をいつも無視しています。「だって仕事だし」「私以外やる人はいないし・・・」「今日中に片付けないといけないし・・・」と「本人の気持ち」のみを優先して、「身体の本音」のことは考えたこともありません。いつも気持ちが外ばかりに向いているのです。内向きの気持ちがないのです。これは例え話をするとわかりやすいです。結婚したての夫婦がご主人が激務で、家に帰るとご飯を食べてすぐ寝てしまう。ある時奥さんが具合が悪く、食事も風呂も何もしたくができません。帰宅したご主人は、「え、俺の激務知っているでしょう。これじゃ仕事できない。」と言って、奥様の体調を全く気遣いもせず、外でご飯を食べ寝てしまいます。こんな状態が続けば奥様は離婚を考えるでしょう。このご主人が「本人の気持ち」で、奥様の体調が「身体の本音」です。仕事で忙しい方は、「ちゃんと仕事をしなくちゃ」ばかりで、「身体の本音」の事など意識していません。「若い頃は持ったけど最近はダメ」程度で、「身体の本音」に気遣いなどしません。夫から罵声を浴びせられた奥様の気持ちです。ですから仕事優先で真面目にやる方は「身体の本音」に対して加害者なのです。決して腰が痛いから被害者という事はありません。こんな説明をしたら、とても良く理解して戴き、「私が加害者とは全く思わなかった。」と言っていました。日本人には「身体に従う」という文化がありません。貴乃花が膝を怪我して優勝した時の小泉総理ではないですが、「痛いのによく頑張った。感動した。」がとても好きです。これは身体が嫌います。この痛いのに黙っていたという文化は、日本人の遺伝子に入ってしまっています。簡単には変わらないですが、ほんの少しだけ「身体の本音」に目を向けて戴くだけでちがう世界が見えてきます。「本人の気持ち」だけで進むと必ずしっぺ返しがありますので注意が必要です。

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