わざと新しく出た症状を長引かせる

少し難しい腰痛で通っている患者さんが、少し無理をして違う場所の痛みを訴えてきた。新しい痛みの治療はそんなに難しくはないのだが、治療しながら少し考えてしまった。新しい痛みを訴えている時は今までの痛みは訴えない。身体は癖のものだから、新しい痛みが続けば今までの痛みは少し鎮まるのではないかと思った。中々患者には、「新しい痛みを長引かせますから・・・」とは言いにくいが、試す価値はある。以前、酷い頭痛の方が歯痛で頭痛が治まってしまった。歯痛を長引かせる訳にはいかないから、歯が治った後はすぐに頭痛は出たが、身体はいつも1番悪い所しか感じない仕組みがある。以前酷い神経痛の方が違う場所を捻ったり、叩いたりしてわざと痛みを作っていたことを思い出した。今回の場合は難しい腰痛の痛みを分散させる仕掛けが作れないかと考えてしまった。治療はやればやるだけ奥が深い。時には神様との知恵比べと感じることがある。

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