以前から耳鳴りは難しいと言っている。
通っている患者さんに、「出してもらっている漢方薬は効いているの?」と聞いたら、「効いていると思います」と言う。
我々から見ると効いていかどうかは「感じるもの」で、「思うもの」ではない。
こういう言葉が患者から出ると、すぐに「効いていないのだろうなぁ」と思ってしまう。
では何故こういう言葉になるかであるが、「専門の先生に診て頂き、あまり悪い事は先生の前では言いにくい(出来ればいい報告をしたい)」という患者心理が働くのであろう。
気持ちは分かるが我々からすると、白黒つけて欲しいと思ってしまう。
漢方薬は余程の体質改善でない限り、効果判定は2週間である。
3ヶ月も飲んで、「効いていると思います」では効いてないのではと思ってしまう。
しかし医者も人の子、もの凄く患者がいい顔で、「先生、効いていると思います!!!」と言えば、「じゃ、続けて」となるし、また暗い顔で、「まぁ、効いているとは思うのですが・・・・」と言えば、「じゃ変えてみるか」となる。
医療の世界は結果主義である。
簡単に白黒がつく。
患者さんが気を使ってくれるのは有り難いが、良い医療を受けるためにははっきりと「先生、前回の治療全然ダメ」とか、「腰には良かったけど、頭痛には全く効果がなかった」と言った方が、結果として患者が良い医療を受けられる。