息子が成功した母の気持ち

仕事柄、上場企業の社長を診ることがよくある。
そういう社長に必ずと言っても良いほど共通項がある。
それはライオンタイプで推進力はブルドーザー並みである。
もちろん緻密に色々なことを考えてるのだろうが、思考の内容より身体の素晴らしさばかりを感じてしまう。
まず基本、身体ががっちりしている。
次に腕がしっかりして、いかにもストレスに負けない感じである。
大抵そういう身体は強い遺伝子バッテンでもらうから、母親似である。
もし家業を継いで息子が発展させた場合、おそらく母親はこういうだろう。
「うちのお父さんはそこそこだったけど、息子が家業を伸ばしてくれた。さすが私が苦労して生んだだけのことはある。お父さんももう少し頑張れば良かったのにねぇ・・・。」とおそらく、お父さんの時代には色々と目につくことがあり、横から口を挟んだのではないかと思ってしまう。
しかし息子の代になって、「よくぞやってくれた。これぞ私の子。」である。親族で集まる時などはお母さんの鼻が高々である。
しかしこれは繰り返す。
この息子の社長に女の子が生まれれば、遺伝子がバッテンでそこそこの成績を残すだろうが、息子の場合は母親似の可能性が高い。
父親にしてみれば会社を上場させるぐらいの力があれば良いが、結婚の場合ライオンタイプの夫婦というのはあまり見たことがない。ご主人がライオンタイプなら奥様は小鳥タイプが多い。
そうすると、会社の上場より研究職みたいな感じになることが多い。
自分の母親がご主人に言っていた内容が、今度は自分の妻に言うことになる。
「俺の親父はそこそこでお袋がもう少しやれみたいなことを言っていて、俺がやって結果を出したけれども、うちの息子はそこまでの気合いと根性がない。俺を見てきてはずなのに・・・。」
結局歴史は繰り返す。
ライオンタイプは自分で何でもやった気になっているが、見えないところで小鳥タイプの支えがなければ思った以上の結果は出ないものである。
世の中、ライオンタイプ、小鳥タイプ、夫婦や親子の話は何時の時代も尽きない。

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