治療は1/2ゲーム

これは我々の感覚だが、10の痛みを1回治療して1/2の5つまり半分にしようと思っている。2回目の治療では5の半分2.5、3回目はその半分1.25を目指している。3回治療すると10が1.25になる計算だから、80-90%痛みが取れる計算になる。勿論そんなにうまくいくケースばかりではないが、「治療は1/2ゲーム」我々はそんな感覚を持っている。だからほぼ3回の治療で治まると思うという話を良くする。これが難しい方だと、1/3ゲーム、酷い方だと1/4ゲームになってしまう。こんな話をすると、「じゃどこまで行ってもゼロにならないじゃないですか」と屁理屈を言った患者がいたが、80-90%痛みが取れれば問題はないと思う。しかしこの1/2ゲーム、時に1.5倍になったり、10のまま変わらなかったりするケースがある。こういう患者には神経を使う。「こちらが考えている以外のものが原因としてあるに違いない。」と思ってしまう。検査してわかればいいが、検査に出ない痛みなどは山のようにある。ピットホールと言って、「え、こんな重大なものが隠れていたの」だけは何時も気をつけている。難しい患者で痛みが取れないといつも、「1/2ゲームになれ、1/2ゲームになれ」と心で念じながら治療している。こちらが念じてばかりいるので、時々神様から哀れみをもらって良くなる患者がいるが、そんな時は思わず、「やった1/2ゲームになった」と心で叫んでいる。

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