以前患者さんから、「何故日に3つもネタを書けるのですか?」と聞かれ、「一人の患者を治療するごとに3つや4つの事は感じる」と答えた。最近は年のせいか、仕事が終わった後でまとめて書こうとすると数時間前のことを覚えていられないので、すぐ書くことにしている。
治療の最後に鍼で10分程度そのままにしておく時間があれば、1つや2つのネタは書ける。鍼を抜き終わった頃にはもう書けている。「さっきの話書きましたよ」と言うと、「え、もう書いたんですか、早い!」と言われる。
こちらは誰のネタかということだけはわからないように書いているのだが、患者の中には「このプログ、私のネタ」と言って、会社の回覧板で回す人がいる。本人がよければいいのだが、ネタにされて嬉しい人とそうでない人がいるから人は難しい。
ではどうして書き続けられるのであろうか。それは「書かないと気持ち悪い」からである。人は何でも癖の生き物で、今までやってきたものを途中でやめると気持ち悪い。
先日引退したイチローが、朝のトレーニングを現役時代と同じにこなしているという番組をやっていた。「なんかやらないと身体が気持ち悪い」と言っていた。その気持は良くわかる。もう習慣になっているから吐き出すと楽なのだが、心に書かないまま留めておくことがもう出来ない。
敢えてもうひとつの書き続ける理由は、「伝えたい」からである。
私はこの仕事しか知らないから、「そういう考え方は身体を壊す」とか、「その考え方は逆」とか「その方向性自体が間違っている」と言いたくなってしまう。
何度同じネタを書いても、言いつけを守らない患者がいる。当院もそのおかげで成り立っていることは事実だが・・・。しかし少しだけ変わった切り口で書くと、「あのブログ分かりやすかった」と言われる。こっちにしてみると、「あの関係のネタ何度も書いている・・・」と言いたいのだが、患者の心にひっかかるネタと、そうでないものがあることは事実である。
「書かないと気持ち悪い」と「伝えたい」でブログを書き続けている。