患者さんの中にはご自分の病気の原因を知りたくて、突っ込んで聞いてくる方が時々いる。本人の気持ちは分からないでもないが、こちらもわかる範囲では答えるものの、様々な知識や経験を応用しているため全てに答えることは出来ない。
そんな中、実に便利な言葉がある。
それは「更年期」「低気圧」「季節の変わり目」である。
40代後半ぐらいの女性の患者には、「色々な症状があって辛い・・・」と言われても、「更年期かもしれませんね・・・」と言うと、「そうですよね。」で終わってしまい、今抱えている症状の原因を説明しなくても済んでしまう。気圧も同じで、最近は寒暖差が激しく、坐骨神経痛の患者に、「これだけ気温が上がったり下がったのすれば、身体は持ちませんよ。」と言えば、「そうですよね。」で終わり。細かく何故坐骨神経痛になったかを言わなくても済んでしまう。低気圧も同じ。「これだけ気圧が下がると、身体の中の圧が上がり、耳やだるさを感じるのは仕方がない。」で終わり。耳の調子が悪くても突っ込まれない。
よくこんな魔法の言葉があるものだと感心してしまう。
夏になったら、「こんなに冷房をつけっぱなしにすると、体調が悪くなりますよ。」と言おうと思っている。
この気候だと当分この魔法の言葉で、詳しい病状や原因を説明をしなくても安心してもらえそうである。