数年前に脊柱管狭窄症を患ってから、理学療法士の先生に定期的にかかっている。
最近はもうやることも少ないから、担当の先生と治療技術の話ばかりしている。
治療を受けるというより、個人レッスンを受けている感じ。
そんな中、先日理学療法の世界でトップの先生の還暦祝いの記念講演会が名古屋で開かれた。
招待され発表された先生方が凄い。
いつも我々がZoomで拝聴している有名所の先生がずらり。
講演内容もレベルが高い。
私自身、オーリングと鍼灸がメインだから、多少畑は違うのだが、人の身体を扱うことに関しては同じである。
そんな会に参加して感じたことは、「いかに自分が無知か」ということを思い知らされた。
昔師匠から、「無知の自覚は叡智の始まり」と教えて戴いたが、本当にその通りだと思う。
この世界、自分の得意分野があるので、全ての領域を学ぶことは難しいが、せめて得意分野を極め、それ以外の分野に関しては専門家に回そうと思っている。
このレベルの違いというか、格の違いというか、一体どこから生まれるのだろうと思って講義を聞いていたら、「私は師匠(還暦の先生)から、ひとりの患者さんをちゃんと診なさい」「とにかく良くしなさい、医者がびっくりするくない治しなさい」「分からなかったら解剖に戻りなさい」と教わったことが大きく関わっていることがわかった。
当たり前のことなのだが、そこは基本である。
治せなくても仕方がないではなく、「ちゃんと治す」と言う教えが弟子達に浸透していた。
その積み重ねを続けた結果、極められたのだと確信した。