身体は的確な治療しか求めていない

普段は仕事柄、腰痛を扱う事は多いですが身体の本音を垣間見ることがあります。
原因がわかっている腰痛でしたら治療は楽ですが、長患いだったり、違うところに原因があって、その反射で腰に痛みが出ているときは原因探しをしないとなかなか効果は出ません。
先日も左股関節の痛みでみえた方が私が右の太腿しか治療しないで、「もう終わりました。」と言ったら、「痛いのは左です。」と言われ、「では確かめてみてください。」、「あれ、痛みが消えている。」と不思議な顔をされていたので、なぜこういう事が起こるのか種明かしをしました。
本人はあまり納得されていませんでしたが、痛みが取れているので文句も言えず、「でも左の股関節・・・。確かに痛くないけど・・・。」とブツブツ言っていました。
難治性の腰痛の方も胃の治療だけで、出来なかった腰の前屈が出来るようになり、本人もビックリということが当院ではよく起こります。
世間では腰が痛いと腰を揉むそうですが、当院では腰に原因があれば治療はしますが、なければ他で腰に悪影響を与えているところを治療します。
私は腰痛患者様の9.5割ぐらいは腰を触っていないと思います。
「本当に治るのですか?」と言われそうですが、体の反応はいつも同じで、的確な治療をすると長患いの方でも瞬間的に反応します。
何となく楽になったというのは厳しい言い方をすればピントがずれているわけです。
ドンピシャでないと身体は反応しないと思って下さい。
よく漢方薬はゆっくり効くと思っている方がいますが、私が専門の先生にご指導を頂いて診てきた患者様は瞬間的に効いています。
風邪でしたら15分ほどで解熱してきて、咳などは数分で鎮まってきます。便秘の治療ですと翌日にはわかりますし、腰痛でしたら数時間後には楽と言います。
こんなに漢方というのは劇薬だったのかと思ってしまうぐらいにすぐ効きます。
ただし、漢方の診断は「証-しょう」と言いますが、正しく処方されていればの話です。
我々のような物理・刺激療法であっても漢方であっても、身体は的確な治療しか求めていません。
そして的確な治療には瞬間的に反応します。
身体の本音でしょう。

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