漢方では腎虚(じんきょ)と言って虚弱体質の方を表現することがある。
腎虚と言っても腎臓の機能だけを差すわけではなく、内分泌系や免疫機能低下によっておこる症状を言う。
男性に当てはめれば精力減退といった所だろうが、頻尿、耳鳴り、身体のだるさ、手足のむくみいわゆる「生気」がない状態をいう。
タイプで言えば当然小鳥タイプであるが、細身で冷え性、婦人科疾患の方は当てはまる。
そういう方は殆どが耳の病気を持っていて、突発性難聴や耳鳴り、慢性中耳炎を持っている。
腎臓や副腎(腎臓の上にのっかっている内分泌器官)の位置が腰の少し上なので、長時間座っていることが苦手で、坐骨神経痛をよく起こす。
治療方は何と言っても冷え対策。
足湯や腰湯はもちろんのこと、じっとしていれば冷えてしまうので、身体を動かすことを常にやっていないと調子が悪い。
そして胃腸対策。
沢山食べられないから少しずつでもいいので、胃腸の様子を見ながら、体調管理をしていく。
腰痛持ちが多いので、坐骨神経痛も酷くなるとお灸を使う。
あちらこちら治療し続けないと中々快適に過ごせない。
そして一番いいのは自分の身体の器を知ることである。
ほんの少し器をはみ出した行動で身体が文句を言うので、身体君に謝りながら、許可を頂くことである。
「今日は少し、飛行機で長い時間座り続けるけど、後でたっぷり暖めるから痛みを出さないでね。」
身体はちゃんと聞いている。
例え腎虚であっても、身体の内なる声と会話をしながらなら、細く長く結構色々と出来る。