最近は減ったが一時期何人も保育士さんが来ていた。当時は保母さんと言っていたが、子供が好きで保育士になったのに、保育園に行きたくないという。理由を聞くと皆同じように、「お母さんが怖い」と言う。どういうことなのか聞いたら、「この間うちの子供がご飯のあとだろうが、少し胸が汚れがそのままだった」とか、「上着のボタンが掛け違ったまま帰ってきた」とか、「保育園で甘やかされると困る」とか、結局、「安心して預けられない」とお母さん方が不満を持っているらしい。これを毎回聞かされたら保育士は参ってしまう。十分手が足りているわけではないだろうから、我々の感覚では預かってもらうだけで十分と思ってしまうが、どうも最近は違うみたいだ。学校関係の先生も多いが、最近はモンスターペアレントより上の「モンスター爺婆」が来るらしい。子供の数が少なく、6ポケットと言われるぐらい1人の子供に対して大人が6人つく。「うちの孫の○○が先生のところでお世話になっているようじゃが、△△が少し問題で対処願いたい。」とお爺ちゃんが校長先生に直談判するという。校長も年齢的には50才、お爺ちゃんが70代とすると息子に説教しているようなものである。これでは校長先生もたまらない。孫も10人ぐらいいればいちいち目が届かないから言わないのだろうが、何とも子育てに多くの大人が関わる時代になった。私の記憶では学校から電話がかかってくると、母が「又うちのが何かやりましたか・・・。申し訳ありません。」と話を聞く前に電話器に向かって謝っていた。話の内容が忘れ物程度の話だと安心して、「そうでしたか・・・。」と親の安心した感じが伝わってきた。子供が少ない分、親が子供に手をかけられ、保育園と自宅での違いを感じて少し不満になる気持ちはわからないでもないが、昔はなかったと思う。仕事を持っているお母さんなら、「預かって頂けるだけで有り難い」となると思うのだが、少し時代が変わったようである。