以前から、「病気というのは身体に棘が刺さったようなもので我々には棘が見える」という話はしている。
しかし中々この話の真意が伝わらないので、最近は「棘を包丁」に変えてしゃべっている。
「あなたの膝の痛みは太腿に包丁が刺さっているようなものです。僕らは治療家ですから包丁が見えますが、皆さんには見えません。包丁が刺さっているのに、『薬を色々と替えたけど痛みが取れない』とか、『塗り薬も効かない』『膝を温めてみたけど効果なし』『腰にブロック注射をやったけどダメ』『筋トレもダメだった』と言っていますが、『まずは包丁を抜きなさい』と言いたくなります。」
この説明は伝わる。
「そうですよね。包丁が刺さっているのが見えたら何をしてもダメですよね。」
棘の時には中々ピンとこなかったのが、包丁というとその絵を想像するみたいでよく伝わる。
病気の説明も例え話をよくするが、患者がイメージできないと中々こちらの真意が伝わらないことがよくわかった。
棘の時には「棘ね」程度の反応が、「え、包丁?そりゃ抜きますよ」と反応が全く違う。
こちらも説明すれば良いというものではなく、患者に伝わる話し方を学ばないといけないと思った。