健康法の最高戦略は予防

孫子の兵法に「戦わずして勝つ」とあるのは有名である。これを病気に当てはめたら、「症状を出さずに封じ込める」であろう。
では本当にそんな事が出来るのであろうか?もちろん全員に出来るわけではないが、かなりの確率で出来ると言いたい。一番わかりやすいのは、慢性腰痛患者の場合である。
仕事柄、患者さんの身体には驚くほどの情報が隠されている事を知っている。年数を重ねるたびに、体の反応が何を意味しているのかがわかるようになってきた。例えば、「胃腸炎」「脛が硬い」「左の腰しか痛くならない」「お尻の横が痛くなる」「足の付け根ばかり痛む」「背中のこりが気になる」など症状はバラバラだが、一体何が原因でどれだけ時間が経っていて、後どれくらいで腰に痛みを出すかは大体わかる。そこまでわかればあとは楽である。
「あなたの腰痛は胃炎からきてるから、暴飲暴食を続けると必ず腰は悪化する」「あなたはお腹が冷えていて体がまだ回復していないから、発汗しないと腰に痛みは必ず出る」「このお尻の痛みは股関節からきているから、手術するまでは治らない」「この左腰痛は便秘の反応だから、腸が治らないと腰はよくならない」「この腰痛は食生活で甘い物の取りすぎだから、それを控えない限り治らない」と具体策がいえる。
まさに「彼を知り己を知れば百戦殆からず」である。

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