仕事柄、日舞や宝塚、バレーなどの患者が多く、よく舞台を見せて頂いている。見てもこちらはわからないのだが、30以上見続けると何となく、「この方はうまいけどなんか心に残らない」「この人は新人で、技術的にはいまいちなんだろうが一生懸命さが伝わる」など色々と感じることはある。専門家に聞いてみると、やはりこちらの感覚はそんなに間違っていないことが分かり、門前の小僧習わぬ経を読むで、わからないながらに見て楽しめるようになってきた。そんな時いつも感じるのが、「役者さんは舞台で裸にされる」と言うことである。どんな気持ちで演技したり踊っているかが素人ながらに分かってしまう。しかしこれは役者に限ったことではない。我々も同じである。昔は、「お前下手だったけど、なんか一生懸命やっていたからかかってやった」「最近ようやくうまくなった」などと言われたことがあったが、患者心理はそんなものなのかなぁと思っていた。ある時、「お前、体調悪いだろう」とか、「奥さんとうまくいっていない?」と突然言われてびっくりしたが、我々の仕事は手から伝わるものが大きいので、患者は何か感じていたのだろう。結局、我々も仕事で裸にされるのである。これはある意味怖いことで、「この患者は治らないだろう」「この痛み何とかしたい」などこちらがどんな気持ちでやっているのか、全て筒抜けである。こういう事がわかってくると、治療技術の前にまず人を磨かなくてはならない。まずは人間性でその上に載せた技術でないと、世の中では通用しないと最近は感じている
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