よく整形に行くと、「あなたは腰が悪いのだから腹筋を鍛えなさい。」と指導される。しかし私は40年やっていて腹筋を鍛えて腰が良くなったという方を見たことがない。これは少し言葉が足りないのである。
「お腹の調子が悪くなったりして腹圧が上がると、腹筋が働かなくなる。そうするとその分、腰が頑張るので腰痛が起こる。だから胃腸を治して腹筋がちゃんと働けるようにすることが大事。」
こう言えばいいのに、「腹筋強化」と言ってしまうから、腰を治そうと真面目になった方が、ぎっくり腰で来る。大体腰が痛いときに腹筋運動など出来るわけがない。大事なのは胃腸の調子を整えることである。当院では胃腸調子を整えるために乳酸菌や按腹、フードチェック、絶食など指導しているが、腹筋強化と言ったことは一度もない。それでもちゃんと治っていく。どうしてこういう事が起こるかというと、医者が医学部でそう教わるからである。私は腰痛を持ちの医者で腹筋強化を頑張っている先生を見たことがない。今度整形に行って腹筋強化と言われたら、「先生の患者さんはどういう風に腹筋強化をやって、成果はどれくらいですか?」と聞いて欲しい。殆どの患者は腹筋強化をやらずに少しの安静と食欲低下で胃腸が休むので治っている。いかがだろうか。