症例

洗剤を使わない食事

私自身、そんなに太っている方ではないが、患者さんと色々と話をしているうちにある事に気がついた。それは、食事が終わって使った食器を洗うときに洗剤を使わない生活は太らないという事だ。私自身、昼はそば、夜は落花生とウィスキー、サラダ(ドレッシングなし)と手料理1-2品程度しか食べていないので、食器を洗う時に洗剤がいらない。昔の食生活はご飯、味噌汁、納豆、海苔、卵、鮭、ひじき、豆腐程度。鮭は少し洗剤を使わ…

年をとると幸福になる

40代の常連さんが、「自分は少し年を取る事に恐怖心がある。気力低下や頭の働きが鈍くなるなど不安だ。」と言う。 気持ちは分からないでもないが、私自身この職業のお陰だが人が老いると身体と心がどうなるかを沢山診てきているので、少し違う感覚を持っている。それは、「人は年をとると幸福になる」と思っている。 今になって思い返してみると若い頃は、金の心配しかしていなかったように思う。 セミナーに出たくても出られ…

昔の生活

患者さんの中にはお年寄りも多い。そういう方達から出る話はやはり昔話ばかりである。「昔は台所に棚をつけたいと思い、大工さんに言うとすぐに取り付けてくれて、見積もりなどなかった。金額もこちらが思っていた額とそんなに変わらないから、安心して何でも頼めた。畳屋さんも年末の大掃除にはきてくれて、まだ取り替えなくても大丈夫とか、来年は張り替えた方がいいと言って、勝手にやってくれた。酒屋さんも勝手に入ってきて、…

大波が来たら鼻を摘まんで深く潜っていろ

年をとると関節の痛みなど治ったと思っても、また痛くなる事はよくある。若い時みたいに中々完治はしない。そんな時によく言うのが、「大波が来たら鼻を摘まんで深く潜っていろ」である。痛い時はおとなしくしていたほうがいい言う意味である。年配者は痛い時と楽な時が交互にくる。治ったと思ってもまた痛むので気持ちはめげるが、普段から痛い時のために薬を準備するとか、温めたらどうなるかとか、揉んだらどうなるかなど色々試…

主治医がいないと・・・

今日来た方は「がん」「骨粗鬆症」「泌尿器疾患」「胃腸炎」と色々と病気が多い。がんは大学病院で診てもらい治療は終了している。骨粗鬆症は整形で診てもらい、カルシウムなどのコントロールがうまくいかず、泌尿器に結石の問題など起こると大きい病院にまわされる。泌尿器の問題が治まれば、また整形に戻る。胃腸は今まで、大学病院で診てもらっていたが通いきれず、町医者に同じ薬を出してもらっていると言う。この話を聞きなが…

講演会を頼まれて

長年仕事をしていると学会でしゃべってくれとか、講演会を時々頼まれる。 専門家相手だと楽なのだが、素人相手では少し勝手が違う。 難しい言葉を使わず、わかりやすく、ちゃんと説明してと思うから、普段と違う神経を使う。 基本は「健康セミナー」なので、どんなタイトルにしたら、皆さんが興味を持ってくれるか考え下記の4つにした。 難病治療のコツ 病院では教えない自分の健康を守るコツ 病院の常識、世間の非常識 が…

クーラー病について

これだけ暑い日が続くと体調を壊す人は多い。 シンガポール、ハワイ、ロスから来た人も、「日本は異常」と口を揃えていう。 ドバイから来た方だけ何も言わなかった。 特に今年の夏はお年寄りで4人ほど酷いクーラー病で、厳しく生活指導をした。 例年の暑さ位であれば「気をつけてください」は日に何人も伝えているが、こんなに4人も厳しく指導した事など今まではなかった。 まずクーラー病であるが全員同じ特徴がある。 2…

ようやく見つけた突破口

以前から耳鳴りに関しては治せないので、悪口ばかり書いている。 しかし先日あるセミナーを聞いていたら、「頚の痛みや顔面神経麻痺の治療に顎下腺への注射が有効」という報告があり、そのあと耳鼻科に詳しい先生から「耳下腺への太い注射鍼は好ましくないが、鍼灸程度の細い鍼ならまず大丈夫。また鼓膜周辺の細かい筋肉や神経支配は○○で、何故耳鳴りが治りにくいのか、こういう構造だから出ている症状には○○という特徴がある…

真面目な人は治らない?

年配の常連さんが、眠気が取れないという。病院で頭を調べたりしても何も異常がない。こういう場合は鼻炎を疑うのだが、多少の睡眠時無呼吸症候群はあるものの、そんなに酷くない。あとは漢方薬を試したり、我々が頚を治したり、頭に鍼を打ったりする訳だが、その効果も限定的である。 そうなるとその患者は、「この眠気さえ取れれば・・・」となるが、しかし医学的にやるべき事は殆ど終わっている。ではどうするかである。 答え…

医者の腹づもり

常連さんが足の痛みが取れないと言う。足の外科で詳しく診て頂いたら、ある靭帯を痛めている事がわかった。 医者が、「これだけMRIではっきり出ているのて、まずは投薬で炎症を鎮めましょう。」と言ったら、患者が「先生、以前も薬は効かなかった。注射にして下さい。」と言って打って戴いたが効果がなかったという。 この話を聞きながら、「患者心理として以前、薬が効かなかったからもう薬はいいや。注射なら効くに違いない…

忙しい時の方が色々と出来る

もう20年以上通われている会長が最近85才を超え、つくづく最近の気持ちを教えてくれた。 「昔は歌舞伎やクラッシックなど時間がなくて見られないから、会員になって自動的にチケットを送ってもらっていた。もちろん全て見れる訳ではないが、それでもそこそこは頑張って見ていた。やがていつでも自由に見られるようになりたいなぁと思いながら・・・。しかし最近いくらでも時間があるのに、全く見に行かない。気力がないという…

一気にまとめて治療

股関節の手術をした方が、膝痛で通っている。少しずつ回復してきて最近は頚が痛いという。調べてみると首のゆがみがあり、これはマウスピースを作るしか方法がありません。我々から診ると股関節のOPEをして、膝も直に治るでしょう。しかし首のゆがみの問題をほったらかしにしておくと、その神経の興奮で又膝や股関節までおかしく感じるものなのです。身体は繋がっていて、他の悪い部分が全身の神経に影響を与えます。しかし患者…

自分に合う仕事などない

これは人生の師匠から大分昔に教わった言葉です。よく「この仕事は自分に合っていない」という声を若い方から聞きます。合っていないから探す、そしてどんどん時間が経ってしまい、60才ぐらいになっても、「まだ自分に合った仕事が見つかっていない」と言う。もしこれを結婚で考えたらどうでしょうか。「色々な人とつき合ったけど自分に合った人と巡り会えない。4回結婚して4回離婚、又探し求めている」それでもいいのかも知れ…

息子が成功した母の気持ち

仕事柄、上場企業の社長を診ることがよくある。 そういう社長に必ずと言っても良いほど共通項がある。 それはライオンタイプで推進力はブルドーザー並みである。 もちろん緻密に色々なことを考えてるのだろうが、思考の内容より身体の素晴らしさばかりを感じてしまう。 まず基本、身体ががっちりしている。 次に腕がしっかりして、いかにもストレスに負けない感じである。 大抵そういう身体は強い遺伝子バッテンでもらうから…

留学時の準備

以前ブログで旅行に行く時の準備は書いた。たまたま常連さんがフランスに留学に行くというので、今までの経験で気がつく範囲で話をした。何人か患者がフランスにいて、LINEやZoomでのやりとりでこれがないために何度も歯がゆい思いをしているので、まとめてみたいと思う。 鍼(患者さんに自分で打つようやり方を教えている。頭痛の時に便利)、皮内鍼(絆創膏で止める鍼) メス(取り扱いが楽で深く広く切れない仕組みの…

効いていると思います

以前から耳鳴りは難しいと言っている。 通っている患者さんに、「出してもらっている漢方薬は効いているの?」と聞いたら、「効いていると思います」と言う。 我々から見ると効いていかどうかは「感じるもの」で、「思うもの」ではない。 こういう言葉が患者から出ると、すぐに「効いていないのだろうなぁ」と思ってしまう。 では何故こういう言葉になるかであるが、「専門の先生に診て頂き、あまり悪い事は先生の前では言いに…

出産後の仕事復帰と絶望

常連さんが出産後仕事に復帰したら、今まで出来ていたことが全く出来ずに困ってしまったという。特に女性の場合は妊娠、出産で最低でも1年や2年は仕事を空ける。そして出産後は子供のこと以外考えられなくなる。仕事のことなど殆ど考えられない。そんな状況で、久しぶりの仕事復帰である。普通に考えれば、「ある程度は仕方がない」と誰も思うが、本人にしてみると、「こんなに頭が回らないとは思わなかった」と言う。こういう感…

治療法はあっても痛みが取れない

ある常連さんが肩を痛がっている。肩の専門病院を紹介したが、超音波で診てそんなに大きな問題はないだろうと言われ、注射を打ってもらったが全く効かなかったと言う。 患者の話を詳しく聞くと、これはもしかしたら肩関節の中の情報がないとダメかもしれないと、MRIを撮りなさいと伝え調べたら、「関節唇損傷」だった。 場合によっては手術が必要な事もあるという話になった。 関節唇は聞き慣れないだろうが、関節のまわりに…

料理人の身体の使い方

以前ボイトレの先生から、「発声は身体全体が楽器になる。正しい身体の使い方をしないといい声は出ない。そのために詳しく解剖を勉強しないと指導できない。」と教えて戴き、その先生の本を見たらほとんど我々が使う解剖書と遜色がなかった。歌い手さんは身体の使い方の本はあるが、では料理人はどうであろうか?詳しくは知らないがあまり見かけたことはない。当院の常連さんに飲食の方が何人かいて、皆訴えてくる内容が同じである…

仕事は毒?

色々な方の身体を診ていると、「仕事で毒を飲んでいる人が多い」と感じてしまう。若い頃は仕事を覚えるまでに苦労するから仕方がない部分はあるとは思うが、ある程度ベテランになっても毒を飲み続けている方もいる。私も病院勤務時代に月に一度ぐらいは朝全く起きられず、時々休んでいたが最近は全くそういうことがない。少し偉そうに言うと仕事が道楽か趣味になってしまった。これは突然なった訳ではなく、難しい患者をこなしなが…