症例

最近の腰痛治療

長年仕事をしていて、腰痛治療のポイントは「足をほぐす」「肩や背中を緩める」「お腹の治療」「頭をいじる」「精神面」と言ってきた。 「患部が問題ならそこをいじれば良いが、長患いの腰痛は患部を触らない」という話である。 最近数多くセミナーを聞いていると、こちらは長年の経験だけで掴んだことが効くには明確な理由が解剖学的にあり、そのかなりの部分が解明されてきた。 当院では腰が痛い時に按腹と言ってお腹をよく触…

身体の配慮

若いけど常連さんで身体のメンテをきちんとしている人がいる。その人が、39度の熱が2日間出てそのあとすっと下がったという。発熱している時も咳は軽くしか出ず、喉も痛くなかったという。この話を聞きながら、「身体が次にジャンプするために準備してくれたなぁ」と感じた。どういうことかというと、人は熱が出れば、「運が悪いなぁ。こんな時に発熱して。」と言うのでないだろうか。しかし本当に運が悪いのだろうか?もしかし…

年寄りの気持ち

以前常連さんの娘さんが結婚をすることになったが、お父様を亡くされていたので、バージンロードばどうしたものかという話をしていた。話を聞きながら、娘さんのそのお爺ちゃんもうちに通っていたので、「あのお爺ちゃんに頼んだら?」とアドバイスしたら、「先生、よくそんな事思いつくわね。」と言われたが、私自身はそんなに突拍子もない話だとは思わなかった。しかし母親にしてみると、そこには気がつかなかったらしい。実際の…

ロケットスタートについて

常連さんが新しい部署に行き、気合を入れて仕事をスタートさせたらスタッフから少し倦厭されてしまったと言う。これを聞きながら思い出した話がある。ある有名な講演家が話し始めには気を使うと言う。それは絶対に大きな声でしゃべり始めないという事だ。理由は大きな声で威圧的にしゃべってしまうと、観衆は身を引いてしまい話が耳に入らないという。しかし小さな声でしゃべり始めると、観衆は耳をステージの方に近づけ、身を乗り…

医者の見立とご縁

常連さんで、長年足の痛みが取れない方がいる。 私が治療してもダメで、足の専門家に回しても、「この程度だと手術をしてもあまり楽にならないかもしれない。あなたが希望すれば開けますが・・・」と同じ内容のことを数人の先生に言われ、それなら手術はしないとあきらめてしまった。 日本でトップの足の専門家が新潟にいるので何かあればそこに送ろうと思っていたが、本人もそんなに乗り気ではない。 しかし先日ひょんな事から…

改装工事を見ながら感じたこと

5月末から院内耐震工事が始まり、皆様にはご不自由をおかけしてしまいました。 現場の大工さんの話を聞きながら感じたことがあります。 耐震工事では構造的に弱い窓ガラスを外し、新たに柱を建て、耐力壁で補強をします。 窓ガラスを外してみたら、経年劣化と雨漏り、シロアリで一部柱に弱いところがありました。 それを見ながら、「いまやって本当に良かった」と思いました。 外からは中の状態が分かりません。 開けてみて…

耳鳴りの考え方

最近は耳鳴りの方が多く、その治療をどう考えているか少しお話します。耳鳴りに関しては以前にも書いたとおり、「死ぬまでに何とか仇を取りたい」と思っています。 これはどういうことかというと、本音を言えば治せないのです。 耳鳴りも昔中耳炎をやったとか、糖尿病や脳神経に異常があればそちらの治療で改善するかもしれないが、現実問題、耳鳴りの原因を特定することは極めて難しいのが現実です。音が何処で鳴っているかもわ…

治療はスーパーオートクチュールオーダーメイド

時々患者さんに、「靴屋さんには木型があり、洋服屋さんには型紙があるでしょう。靴や服を作ってもらう時にこの型は余り変わらないでしょう。しかし我々の仕事は『○○さんはいつも坐骨神経痛』と思ってやっていたら、必ず見落としが出てしまいます。目の前の患者さんはどうなっているか全くわからない。だからくまなく診よう。と思っていないとダメで先入観念だけで治療してしまうと大変な事になってしまいます。敢えて言えば、ス…

まず手の痛みの治療に必要な事は?

今日来た方は「母指CM関節症」と言って、親指の付け根にある関節軟骨が加齢や女性ホルモンの減少、手の使い過ぎなどで痛む病気の方でした。 日常生活で「ジャムの蓋を開ける」「ドアノブを回す」「雑巾が絞れない」と言います。 我々から見ると腕は曲げ伸ばしの筋肉ばかりで、ジャムの蓋を開けたり捻るための筋肉は少なく、捻る動作はとても苦手なのです。 特に主婦の方は、「痛くてもご飯の支度があるし・・・」と中々安静に…

痛みで騒ぐのは一時

私もこの年になると、脊柱管狭窄症で腰痛や首肩の調子が悪くなることがよくある。 これは仕事の特権だが、痛ければすぐ揉んだり鍼をやってもらえるので助かっている。 しかしよく考えてみると、痛い時は大騒ぎするが、それが一過性の痛みの場合は必ず回復 する。 「確か先週は首が痛いと言っていたが、今は喉の調子が悪い事ばかり気になる」 身体は常に辛い所しか感じない仕組みがあるので、毎回何か調子が悪い事ばかり騒ぐ結…

喉の渇きに関して

紹介でここ数年、喉の渇きが治らない人が来た。 まずこういう場合は原因を考えるが、下記の原因が頭に浮かぶ。 糖尿病-多尿などにより喉が渇く 尿崩症-ホルモンの働きによりおしっこが出過ぎてしまう シェーグレン症候群-自己免疫疾患の一つで唾液腺や涙腺を攻撃して、ドライアイやドライマウスが起こる 甲状腺機能亢進症-代謝や浮腫の問題 更年期障害-閉経近くになると女性ホルモンのバランスが崩れる 話を聞いてみる…

しっかり脇の下のがんも取りましたから

乳がんの術後の患者さんの相談が何故か最近は多い。「母が乳がんを手術をして頂き、医者から『脇の下のリンパまでしっかり取りましたから安心してください』と言われ、本当に良かったと思います。」と言う。子供にしたらがんの再発や延命のことを考えたら当然有り難い話だが、我々は少し違う感覚を持っている。それは「脇の下のリンパ節郭清(かくせい)をしっかりやったら、手が使えなくなってしまうではないか」という事である。…

最後までちゃんと治す

腸の具合が悪く通っている人がいる。 お腹を揉んだり鍼や灸、食事指導に物の考え方まで色々とこちらもやりようがあるので、順調に辛さが減り、今は95点だという。 しかし以前、「残り5%の痛み」でも書いたが、ここから完治までが至難の技である。 1つ言えることは今までの治療法の延長線上で良くなるなら、もう100点になっているはずである。 しかし95点をが続くということは、それは、「今までと同じ事をやっても身…

大変という事について

仕事柄、「先生、聞いて下さい。大変なんです。」という話はよく聞く。 話を聞いていると確かに大変だが、こういう話を聞きながらいつも思うことがある。 それは、『大変とは「大きく変わる」と書く。』ということである。 「有り難う」は「難あって有りがたい」も同じで、おそらく本来の漢字の意味に、「大きく変わると大変だけどあなたが成長するから」「難が有るお陰で成長できる」というような意味が込められているのではな…

仙腸関節について

常連さんが腰を痛がり、良くならないので診て欲しいという。調べたら右の仙腸関節炎(ぎっくり腰)で、まずは鍼を打って様子を診た。そうしたら打った後の方が痛がる。これはおかしいと思い、ぎっくり腰の定番治療、①脚の治療②お腹の治療③さらしなどでの固定を全て試したが全く効果がないという。これは明らかにおかしい。脚を治療しながらスタマックラインの反応があったので、「食べすぎ?ストレス?」と聞いたら、ある投薬の…

股関節人工関節について

昨年度から急に股関節の患者が増えた。私自身が股関節に特化した専門家ではないので、知り合いの先生を紹介し、そのうち4人が人工関節の手術を受けた。以前から、股関節の術後は殆ど患者が来ないので、リハビリに関してのブログが殆どない。酷い方になると股関節人工関節の術後、別件でおみえになった方に、「もうどれくらい経ちますか?」と聞くと、「何が?」「え、手術ですよ。」「あ、それね。半年かしら?」と答える。それぐ…

突然効き出した胃薬?

冷え性の女性がいつも胃の具合が悪く、「消化器の先生はいつも同じ胃薬しか出さないけど、全然効かない。でも先日、旅行に行く前に頂いたのは効いた。体質が変わったということ?」と聞くので、「何か他に薬は出なかったですか?」と聞いたら、「腸の薬も出た。」と言う。身体を調べたらいつもの胃の反応はそのままあり、腸の反応が殆どない。「これはもしかして、腸の薬がよく効いたので、いつもの胃炎がそんなに気にならなくなっ…

いい状態が続く訳がない

常連さんで経理をしている方が10年前は、忙しい2月・3月に頻繁に通っていた。肩こりが酷く、治療しても殆ど楽にならない。あまりに酷いので、「毎月通ってみたらどうですか?」とアドバイスをして、実行してみたら、思いのほか調子が良い。いつもの忙しい2月・3月でも肩の状態は以前の半分以下で、「毎月やるとこんなに違うとは知らなかった」と言っていた。ところが今年に入り、もう3ヶ月経つのに1度も来ない。久しぶりに…

やがて腰痛と共に暮らす方

常連さんの中に初めての子育てをして、「この方はやがて腰痛が慢性になるだろうなぁ」と感じる方がいる。 その方の身体の特徴はどちらかというと虚弱体質で、今まで運動を余りしたことがない。仕事はデスクワークで、あまり身体を使わない生活をしてきた。子供が生まれてからは仕事柄自宅にいるので、子育てに熱心で、赤ちゃんが重くなるにつれ、腰痛が慢性化してきた。腰痛も今までにないレベルなので、良く通ってこられているが…

出来た喜びではなく、回復した喜び

仕事をしながらいつも感じていることがある。それは、「人は何か出来ると喜ぶが、身体のことはあまり考えていない。本来の喜びは○○をやったけど、ちゃんと身体が回復した事が本当の喜びである」という事だ。 例えばゴルフが好きな方が軽井沢など行って、「7日間連続でコース回れた」とか、「若い連中と一緒に2ラウンド回れた」と喜んでいるが、それを私に言うということは身体の何処かが辛いのである。身体のことは殆ど考えず…