症例

元気なお年寄りの特徴

以前ブログで、「年を取って元気に生きる方法」を書いた。体重や胃腸、糖尿病に鼻炎、噛み合わせなどの記事を書いたが、実際当院におみえになったてるお年寄りには特徴がある。 心臓が悪くない 胃腸が強い 太腿が太い 皮下脂肪が豊か などは共通項のように思う。まず心臓病があるとやはりない方とは寿命は違う。次に胃腸であるが、胃弱で太れないと皮下脂肪もつかず、よく呼吸器などを患っている。次に太腿が太いというのは、…

不良息子とがん

Bi-Digital O-Ring Testを長年やっているとがんの患者は多い。師匠が消化器のがん専門医なので、患者には必ずその話はしている。昔は「がんを殺す」という考え方が主流だったが、その後は「がんに伸びる血管を治療」する考え方になり、その後は「免疫チェックポイント」の考え方も出てきて、がん治療は大きく変わり、延命率も確実に上がっている。そんな状況ではあるが、がんにかかると半分の方は亡くなって…

ほんの少しの油をさせばいい

常連でベテランの歯医者さんが、「年をとるとほんの少し体に油を差すぐらいがいい」と教えてくれた。 この先生は以前、腰痛で通われていて、今はすっかり良くなったが、良くなってからもメンテを欠かさない。 そんな先生がある時、「年を取ればほんのちょっとの油がいいんですね。徹底的にやっちゃダメですよ。歯だってそうなんです。」と言うので、「そういえば先生から紹介して頂いた腰痛患者さんが、『あの歯医者の先生に診て…

喉の痛みと便秘

常連さんが喉が痛く咳が出るという。元々喘息がある方なので、注意深く呼吸器の反応点を調べたら、さほど悪くない。だったら抗生剤も飲んでいるし、咳はやがて鎮まるだろうと考え、喉の痛みを何とかしようと駆風解毒湯の話をした。これは喉の痛みによく効くので以前から何度か書いている。そんな話をしながらハムストリングを治療したら、異常に硬い。これは下腹部に問題があることを意味しているので、話を聞いたら、「ちょっと便…

不眠症と首のこり-2

患者さんの中には不眠症を訴えてくる方は多い。 以前から記事は色々と書いているが、今回は「首のこり」との関係を書いてみたい。 まず下の図には3ヶ所の反応点を示した。 「目の疲れ」は目を動かす時にこの部分の筋肉が連動してしまうことにより、目を酷使するとここの筋肉が硬くなり、目の焦点が合わせにくくなるので、書類を読み続けることを嫌がり、すぐに飽きてしまう。 「鼻炎の反応点」は当院ではEAT(Bスポット療…

腰椎椎間板ヘルニアと聞くと最近は安心してしまう

昔の腰椎椎間板ヘルニアの手術はかなり腰を開けたし、治療成績も素晴らしいとは言いにくい部分があった。しかし最近の内視鏡を使っての手術成績は目を見張るものがある。腰椎椎間板ヘルニアの患者には、「まずは痛みだけなら半年間粘りなさい。薬やストレッチ、注射や鍼でしのぎなさい。但し、足が動かなくなったり、麻痺があったらすぐに開けなくてはいけない場合があるので、それは担当医と相談しなさい。薬にしても一昔前よりよ…

個人名の病院について

常連さんから、「今まで大学病院で○○先生に診て頂いていたが、その先生が飛ばされて遠くに行っちゃった。代わりの先生が若くて少し不安・・・」とよく聞く。内科や整形、耳鼻科ぐらいなら医者が変わってもそんなに問題は起こらないが、心療内科となるとそうはいかない。患者と医者の相性で殆ど決まってしまう。「あの先生、嫌い、しゃべりにくい・・・」で終わってしまう。逆に話しやすければちゃんと通うから、投薬などを色々と…

筋肉君の気持ち

以前から何度か「筋肉君の気持ち」は書いている。 長年仕事をしていると本人の口から出る言葉より、我々が筋肉を触って感じることの方がはるかに正確である。 そんな体験をしていると段々と患者の言葉を聞かなくなる。 こちらと筋肉君の間だけで仕事が成り立ってしまう。 悪い所を触ると、「こんなに僕は硬くなって、どんだけ負担を強いられたかわかるでしょう」と筋肉君が言っていて、「そうだよね、わかるわかる。少し治療す…

ゆとりのある左手を使って症状悪化

経理の仕事をしている常連さんが、確定申告の時期はテンキーを酷使して、右腕のこりと右首の状態が悪い。この時期ようやく少し楽になったので、家庭サービスで赤ちゃんが抱けるようになったと言う。抱くのは当然ゆとりのある左手、しかし最近抱っこが増えたら首の痛みが増悪してしまって、どうにもならないという。今日身体を診たら、今まで殆どこりがなかった左腕が右と同じぐらい硬い。これでは首は根を上げるだろう。しかしこう…

風邪の勧め

何時も過食が原因で腰を痛がっている常連さんが、薬を変えたので身体がどうなったか診て欲しいという。過食の時は必ずスタマックラインを診るので、どの程度かと思って触った途端、何ともない。「こんなに薬が効くかなぁ?」と思いながら話を聞いたら、「風邪を引いて食事が出来なかった」と言う。下半身の全ての筋肉を調べたが、何ともない。今まで過食が原因の腰痛患者が治っている。勿論これは薬が効いたのではない、胃腸が暴れ…

だから言ったじゃない

今まで何度も、「だから言ったじゃない」という内容の記事は書いている。 当院は鍼灸院だから、「いかに早く鮮やかに」治る事しか考えていない。 先日も肘痛の患者に、「この痛みは医者へ行って注射を打つレベル」と言ったら、「考えておきます」と返事をして、今日来たときに、「病院は少し遠いし、まだ行っていない」と言う。 こうなると解説が必要で、「あなたの肘痛は筋肉の問題ではなく、腱の問題だから我々の治療効果が薄…

ボブヘアがいいんだけど・・・

最近どういうわけか、人間関係の話が多い。会社の中で上司とだったり、夫婦だったり、子供との会話など話題は尽きない。常連さんから、「先生、人間関係で何か患者を診ていて、感じることはありますか?」と聞かれたので、少し話をしてみたい。 まず第1は夫婦の場合、ご主人が奥様の髪型に関して、「ボブが僕は好きだなぁ」と言ったときに、奥様が、「え、ボブ、私はロングが似合うの。ショートなんか嫌い。あなたに髪型を言われ…

書かないと気持ち悪い

以前患者さんから、「何故日に3つもネタを書けるのですか?」と聞かれ、「一人の患者を治療するごとに3つや4つの事は感じる」と答えた。最近は年のせいか、仕事が終わった後でまとめて書こうとすると数時間前のことを覚えていられないので、すぐ書くことにしている。 治療の最後に鍼で10分程度そのままにしておく時間があれば、1つや2つのネタは書ける。鍼を抜き終わった頃にはもう書けている。「さっきの話書きましたよ」…

部位別反応点

以前から、「○○が悪いのは△△か□□」と言い続けている。少し数が多くなり患者さんも混乱しているのでまとめてみたい。 腕が硬くなるのは「使い過ぎ」か「ストレス」 首の横が硬くなるのは「不眠」「ストレス」「周辺の環境」 首の後ろがこるのは「不眠症」「寝違い」「喘息」 胸骨(胸の真ん中の骨)が歪むのは「肋骨のゆがみ」か「咳」 背中が硬くなるのは「座り疲れ」「甘い物の取りすぎ」「刺激物の摂取」 太腿の前が…

マラソンやトライアスロンにはまる人達

当院にはマラソンやトライアスロンをやっている方が何人も来ている。どうして始めたのかと聞くと大抵理由は同じで、「断れなかった・・・」と言う。誘った人に聞いたら、「相手が断る理由をなくす」と言っていた。「忙しくてとても・・・」と断ろうとすると、「あなたより忙しい人が走っています」と言われ、「年なので・・・」と言うと、「あなたより年配の人が走っています」と返され、断れないという。しかし実際やってみると多…

やがては「がん伝道師」

がん患者を診ていると、自分ががんサバイバー(がんを乗り越えた人)になり、自分の体験談を人に語っている人を良く見る。「私は○○がんで、○○病院で手術の後、抗がん剤はきつかったけれども、たまたま見た○○先生の記事に共感して、その先生が愛用しているものを飲んだらとても元気になった。あなたにも強くお薦めする。」医者の中にもがんを患い、色々と商品を勧めている先生も多い。そういう先生のお薦めのものは魅力的に映…

人がいいがん患者はだめ

以前から、がん患者で人から勧められるたびに健康食品を買ってしまう方がいる。人柄がよく断れないのだろうが、こういう方は考えもので、人が勧めるものというのはその人にとっていいのであって、そのがん患者にいいとは限らない。断れない性格と良くなりたい心理で、月に十数万円分の健康食品を買っている方もいる。以前来た患者もそのタイプで、飲んでいるものが多いわりには、腫瘍マーカー(がんが悪化すると数字が上がる)が下…

一気に治す

患者さんにも癖があり、「肩も肘も痛いけど今回は肩が良くなればいいや」と言って、肩の治療が終わると来なくなる方が結構いる。ご自分の中におそらく基準や考えがあって、それに基づいて治療を調整している。 そういう方を診る度話を聞く度に、「一気に治せば良いのに・・・」と思ってしまう。肘をそのままにしておけば、肩は良くなったかもしれないが、そんなに遠くない将来必ず肘痛を訴えてくる。それをほったらかしにすればま…

患者が来なくなる商品

長年仕事をしていると、ある商品を紹介してから患者が来なくなったものがある。それは「マウスピース」と「パナソニックのスチーム足浴器」である。 まず「マウスピース」だがこれは大分前の勉強会で、「顎関節(噛み合わせ)に負担がかかるとその悪影響が首までいく」と教えて戴き、当院に首で通っている患者にマウスピースを勧めたら、その後殆ど首が辛いと言わなくなってしまい、そんなに効くのかと思った。そんなある日、いつ…

定期メンテと開運

若い常連さんで少し具合が悪いとすぐに来てしまう方がいる。 珍しく今日は左のお尻が少しおかしいと言う。本人は、「胃腸も悪くないし、少し運動不足かなぁ」と言っている。下半身を診たら、大腿四頭筋が硬い、それも粘っこい、スタマックラインを診たらかなり痛がる。これは典型的な胃炎である。硬さから逆算して2-3ヶ月は経っている。いつもこの方は首肩ばかり治療しているので、下半身が少しすねて、「たまには僕も診てほし…