症例

定期メンテと開運

若い常連さんで少し具合が悪いとすぐに来てしまう方がいる。 珍しく今日は左のお尻が少しおかしいと言う。本人は、「胃腸も悪くないし、少し運動不足かなぁ」と言っている。下半身を診たら、大腿四頭筋が硬い、それも粘っこい、スタマックラインを診たらかなり痛がる。これは典型的な胃炎である。硬さから逆算して2-3ヶ月は経っている。いつもこの方は首肩ばかり治療しているので、下半身が少しすねて、「たまには僕も診てほし…

太腿の前が硬くなるのは「使い過ぎ」か「下腹部の異常」

以前ブログで、腕が硬くなるのは「使い過ぎ」か「ストレス」と書いた。今度は太腿の前面(大腿四頭筋)である。原因は「使い過ぎ」か「下腹部の異常」である。まず使い過ぎであるが、階段を駆け上ったとか、自転車をこぐだとか、サッカーをしたとか・・・。高低差のある所では太腿上げなくてはならない。この時に大腿四頭筋を使う。普段の歩行時にはさほど使わないが、階段や自転車になった途端硬くなる。もう一つは以前、下腹部の…

医療連携

昨日来た患者は2年ほど前に心筋梗塞をやり、その後精神的にもやられてしまい、薬を飲んでも治らず、最近は腰まで痛くなったのでペインクリニックで注射を打っているがあまり効かないという。 薬を見たら15種類ぐらい出ていてさすがに本人も、「なんか多いいんじゃないかなぁ」と感じていたという。 心筋梗塞の前は高脂血症や尿酸の治療を内科でしていたが、心臓のステントを入れる話になり、循環器からも薬が出ている。これは…

治療は1/2ゲーム

これは我々の感覚だが、10の痛みを1回治療して1/2の5つまり半分にしようと思っている。2回目の治療では5の半分2.5、3回目はその半分1.25を目指している。3回治療すると10が1.25になる計算だから、80-90%痛みが取れる計算になる。勿論そんなにうまくいくケースばかりではないが、「治療は1/2ゲーム」我々はそんな感覚を持っている。だからほぼ3回の治療で治まると思うという話を良くする。これが…

健康長寿

最近は年を取ったせいが、色々な資料を見ていても「健康長寿」の記事に目が行ってしまう。現段階で当院が考える健康長寿に関して、少しお役に立つ話をしたい。 がん予防-これは以前、Bi-Digital O-Ring Testで学んだことだが、足の三里を刺激するとがんになりにくいという話、20年近く前に当院の患者にがんが少ないので理由を調べたら、足の三里の刺激が有効ということをこちらが知らないで治療の流れと…

身体で決まる運命

以前から身体に関してはシナリオ論(人の運命は初めから決まっているのではないか)や身体で決まる職業のブログは書いている。身体と運命とはわかりやすく言うと、筋肉の質がすごくいい人は100m走は速い。逆にマラソンは苦手な人が多い。これは生まれながらに持っている筋肉の質によって出来ることが決まってしまっていることを意味している。中国ではこの辺の研究が進んでいて、子供の遺伝子を調べ、「あなたの遺伝子はバスケ…

何でも痛みを取れば良いというものではない

これはとても印象に残っているご婦人だが、こちらが膝を治そうと思うと、「先生、そんなに熱心にやらなくてもいい」と言われてしまった。変なことを言うなぁと思いながら色々と話を聞いたら、理由が分かった。「私が調子良さそうにしていると、娘からこき使われてしまう。痛がっていると医者に行けと言われる。医者に行っているけど良くならないという状況がいい。膝の痛みが取れてスタスタ歩いていれば、『何だ調子いいんだ。だっ…

快適な旅のヒント

仕事柄、毎日多くの方としゃべっている。実家に帰ったり、友達との旅行の話は多く、そんな中で時々成る程と思うことがある。それは夜の過ごし方である。実家に戻っても実家には泊まらないという話を初めて聞いた時は少し驚いたが、よくよく考えてみると一理ある。年老いた両親に食事や寝床、風呂の支度までさせるのは忍びない。自分もしたくない、そうなると近くにホテルに泊まるという。夕食は外で済ませ、少し実家に戻って話をし…

最後はお灸で決める

鍼灸学校に入るまでは、「やがては鍼の名人になろう」と思っていて、灸のことなど全然頭になかった。実際学校の授業でも、灸は「もぐさ捻り」ばかりで全く面白くない。国家試験を取った後も、鍼でどうやって痛みを取るかばかり考えていたから、灸に関しては患者さんから言われればやっているだけで、こちらからは余りお薦めしなかった。そんなある日、病院勤務時代に坐骨神経痛の酷いヤクザの親分が来て、「医者に注射を打ってもら…

肘の気持ち

以前からお薦めしないスポーツはテニス・スキー・ゴルフと言っている。その理由は簡単でそのスポーツをやった後に、必ず当院に来るからである。プールで泳いでいる方で、「髪の毛がまだ濡れているんです」と言ってくる人は1人もいない。一番やっかいなのが、ある程度時間的にもゆとりが出来、テニスにはまる方達である。そういう方達は全員、「青春」と「挑戦」と同じ事を言う。そういう方達は初めは週に1-2度やっていて、ダブ…

やがてあなたは腹を切ることがあるかもしれません

これは大分昔の話です。九州のある町から、世が世ならお姫様と言える方がいらっしゃいました。先代がある城の城主だったそうです。その方が東京の中学校に来る時には、ばあやと一緒においでになりました。そのばあやからある時、「あなたは世が世なら姫です。あの城を守るために、どれだけの家来が亡くなったか分かりません。やがてあなたは腹を切ることがあるかもしれません。その時は、こうやって家来が腹を切って死んでいったの…

先生はどうして鍼灸をやっているのですか

時々患者さんから、「どういうきっかけで鍼灸を」と聞かれることがある。高校時代は田舎の進学校に通い、たまたま算数が好きだったので、将来は数学者か工学系の電子関係かコンピュータのプログラミングでもと思っていた。その後大学受験に失敗して、東京で浪人生活をしていたときに鍼灸と出会った。それは今でも衝撃的で、丁度アメリカのニクソン大統領が訪中していて、全世界に鍼麻酔が公開された。映像では麻酔薬を使わず、手と…

首や腰が痛いと言われて

仕事柄首や腰が痛い人は毎日診ている。 こんな中で、首の痛みの原因を少し列挙してみたい。 1.目の使い過ぎ 2.鼻炎 3.噛み合わせ異常 4.不眠・ストレス では腰の痛みはどうだろうか。 1.甘い物の取りすぎ 2.刺激物の摂取 3.腸の反応 4.胃酸過多の反応 5.婦人科や前立腺の影響 6.股関節からの影響 7.太腿からの影響 これはかなり簡単に書いている。何が言いたいかというと、「首や腰自体に問題…

ぎっくり腰の苦い思い出

これはもう20年以上前の話だが、この南品川に拠点を移した時、この店舗がクリーニング屋さんだったので、内装工事の後、何も考えずにベッド3台を入れた。それから少し経ってから酷いぎっくり腰を患い動けないので、スタッフに来てもらい鍼を打ってもらった。「先生、片脚だけ異常に硬いですよ。これが原因ですよ。普段お世話になっているので、太い鍼を一杯打っておきます・・・」「え、そんなに太くなくてもいいよ。本数も程々…

左肩の痛みを右腕で治す話

以前から、「痛いところは被害者の可能性がある、加害者を治すと痛いところはいじらなくても良くなる」という話をしている。昨日来た患者も、「何もしていないのに左肩が痛む」と言う。調べてみると、特別にテニスやゴルフをしたわけではない。では何故何もしていないのに左肩に痛みが出るのであろうか。それは左肩に負担がかかったのではなく、他の場所の問題を訴えているだけである。ではその『他の場所』とは何処であろうか。こ…

年をとると何事にも驚かない

年配の方は戦争を経験しているから、多少のことでは驚かない。 何処かの国に原爆が落ちても、「昔日本にも落ちた」で終わり。 がんの末期と言われても、「もう十分長生きした、知り合いはみなあっちにいる」と言うだろう。 例え騙されて資産をなくしたとしても、「明日から漬け物と味噌汁で暮らす、昔みたいに・・・」で終わり。 知り合いが亡くなっても、「思いのほか早かった。私ももう少し。」と言うだろう。 事件や事故に…

腰椎椎間板ヘルニアとデパス

常連さんが腰が痛いという。近医で調べてもらったら、「腰椎椎間板ヘルニア」でレントゲン画像を見せてもらったが、我々から見ると特別ひどくない。「これなら我々の治療や医者から出る薬が効くと思います。心配ならMRIまで撮れば安心ですね。」と伝え、普通に腰椎椎間板ヘルニアの治療をしたが、「全く効かない」と言う。ではMRIを取りましょうという話になり、医師の診察を終えた後に患者に来てもらったのだが、患者が腰が…

昔その治療、効かなかったから・・・

患者さんとの会話で、「その痛みに対して○○というやり方はあります」と言うと、「昔、その治療やったけど効かなかったから・・・」と言われることがある。気持ちは分かるが、我々からすると人の身体は毎日変化していて、過去の常識がそのまま通用しないことはよく体験する。「昔はそうだったかもしれませんが、今の状態を見ると、やる価値はありますよ」と言うと、余りいい顔をされない。薬でもそうだが、体調と時期があり、一度…

常連客の有り難さ

これはある方から聞いた話だが、昔からなじみの中華屋があるという。子供の頃からしょっちゅう行っているので、厨房の中の様子まで手に取るようにわかるという。そこは夫婦でやっていて、夫婦仲が悪いと大将が勢いよく塩胡椒をするので、チャーハンが塩っぱくて、喉が渇くからビールをもう一本頼んでしまうと言う。そしてキャベツの切り方も雑でいつもの野菜炒めと違うという。常連客もそんな事は慣れていて、「明日か明後日のチャ…

咳が長引くと寝違いを起こす話

以前から、『「不眠症」「寝違い」「喉の痛み(喘息)」の反応点は同じ場所』と言っている。首の後ろにこりがあると不眠症何だか、寝違い何だか、喉の痛みだかわからない。今日来た患者は人生で最大級の首の痛みを味わったという。経過を聞いたら、咳が長引き、そのあと仕事が忙しく腕を使ったという。腕は以前から、「使い過ぎ」か「ストレス」でしか硬くならない。また自覚も出ないし、咳を止めるときに腕のツボを使う。結局、腕…