症例

風邪の勧め

何時も過食が原因で腰を痛がっている常連さんが、薬を変えたので身体がどうなったか診て欲しいという。過食の時は必ずスタマックラインを診るので、どの程度かと思って触った途端、何ともない。「こんなに薬が効くかなぁ?」と思いながら話を聞いたら、「風邪を引いて食事が出来なかった」と言う。下半身の全ての筋肉を調べたが、何ともない。今まで過食が原因の腰痛患者が治っている。勿論これは薬が効いたのではない、胃腸が暴れ…

だから言ったじゃない

今まで何度も、「だから言ったじゃない」という内容の記事は書いている。 当院は鍼灸院だから、「いかに早く鮮やかに」治る事しか考えていない。 先日も肘痛の患者に、「この痛みは医者へ行って注射を打つレベル」と言ったら、「考えておきます」と返事をして、今日来たときに、「病院は少し遠いし、まだ行っていない」と言う。 こうなると解説が必要で、「あなたの肘痛は筋肉の問題ではなく、腱の問題だから我々の治療効果が薄…

ボブヘアがいいんだけど・・・

最近どういうわけか、人間関係の話が多い。会社の中で上司とだったり、夫婦だったり、子供との会話など話題は尽きない。常連さんから、「先生、人間関係で何か患者を診ていて、感じることはありますか?」と聞かれたので、少し話をしてみたい。 まず第1は夫婦の場合、ご主人が奥様の髪型に関して、「ボブが僕は好きだなぁ」と言ったときに、奥様が、「え、ボブ、私はロングが似合うの。ショートなんか嫌い。あなたに髪型を言われ…

書かないと気持ち悪い

以前患者さんから、「何故日に3つもネタを書けるのですか?」と聞かれ、「一人の患者を治療するごとに3つや4つの事は感じる」と答えた。最近は年のせいか、仕事が終わった後でまとめて書こうとすると数時間前のことを覚えていられないので、すぐ書くことにしている。 治療の最後に鍼で10分程度そのままにしておく時間があれば、1つや2つのネタは書ける。鍼を抜き終わった頃にはもう書けている。「さっきの話書きましたよ」…

部位別反応点

以前から、「○○が悪いのは△△か□□」と言い続けている。少し数が多くなり患者さんも混乱しているのでまとめてみたい。 腕が硬くなるのは「使い過ぎ」か「ストレス」 首の横が硬くなるのは「不眠」「ストレス」「周辺の環境」 首の後ろがこるのは「不眠症」「寝違い」「喘息」 胸骨(胸の真ん中の骨)が歪むのは「肋骨のゆがみ」か「咳」 背中が硬くなるのは「座り疲れ」「甘い物の取りすぎ」「刺激物の摂取」 太腿の前が…

マラソンやトライアスロンにはまる人達

当院にはマラソンやトライアスロンをやっている方が何人も来ている。どうして始めたのかと聞くと大抵理由は同じで、「断れなかった・・・」と言う。誘った人に聞いたら、「相手が断る理由をなくす」と言っていた。「忙しくてとても・・・」と断ろうとすると、「あなたより忙しい人が走っています」と言われ、「年なので・・・」と言うと、「あなたより年配の人が走っています」と返され、断れないという。しかし実際やってみると多…

やがては「がん伝道師」

がん患者を診ていると、自分ががんサバイバー(がんを乗り越えた人)になり、自分の体験談を人に語っている人を良く見る。「私は○○がんで、○○病院で手術の後、抗がん剤はきつかったけれども、たまたま見た○○先生の記事に共感して、その先生が愛用しているものを飲んだらとても元気になった。あなたにも強くお薦めする。」医者の中にもがんを患い、色々と商品を勧めている先生も多い。そういう先生のお薦めのものは魅力的に映…

人がいいがん患者はだめ

以前から、がん患者で人から勧められるたびに健康食品を買ってしまう方がいる。人柄がよく断れないのだろうが、こういう方は考えもので、人が勧めるものというのはその人にとっていいのであって、そのがん患者にいいとは限らない。断れない性格と良くなりたい心理で、月に十数万円分の健康食品を買っている方もいる。以前来た患者もそのタイプで、飲んでいるものが多いわりには、腫瘍マーカー(がんが悪化すると数字が上がる)が下…

一気に治す

患者さんにも癖があり、「肩も肘も痛いけど今回は肩が良くなればいいや」と言って、肩の治療が終わると来なくなる方が結構いる。ご自分の中におそらく基準や考えがあって、それに基づいて治療を調整している。 そういう方を診る度話を聞く度に、「一気に治せば良いのに・・・」と思ってしまう。肘をそのままにしておけば、肩は良くなったかもしれないが、そんなに遠くない将来必ず肘痛を訴えてくる。それをほったらかしにすればま…

患者が来なくなる商品

長年仕事をしていると、ある商品を紹介してから患者が来なくなったものがある。それは「マウスピース」と「パナソニックのスチーム足浴器」である。 まず「マウスピース」だがこれは大分前の勉強会で、「顎関節(噛み合わせ)に負担がかかるとその悪影響が首までいく」と教えて戴き、当院に首で通っている患者にマウスピースを勧めたら、その後殆ど首が辛いと言わなくなってしまい、そんなに効くのかと思った。そんなある日、いつ…

定期メンテと開運

若い常連さんで少し具合が悪いとすぐに来てしまう方がいる。 珍しく今日は左のお尻が少しおかしいと言う。本人は、「胃腸も悪くないし、少し運動不足かなぁ」と言っている。下半身を診たら、大腿四頭筋が硬い、それも粘っこい、スタマックラインを診たらかなり痛がる。これは典型的な胃炎である。硬さから逆算して2-3ヶ月は経っている。いつもこの方は首肩ばかり治療しているので、下半身が少しすねて、「たまには僕も診てほし…

太腿の前が硬くなるのは「使い過ぎ」か「下腹部の異常」

以前ブログで、腕が硬くなるのは「使い過ぎ」か「ストレス」と書いた。今度は太腿の前面(大腿四頭筋)である。原因は「使い過ぎ」か「下腹部の異常」である。まず使い過ぎであるが、階段を駆け上ったとか、自転車をこぐだとか、サッカーをしたとか・・・。高低差のある所では太腿上げなくてはならない。この時に大腿四頭筋を使う。普段の歩行時にはさほど使わないが、階段や自転車になった途端硬くなる。もう一つは以前、下腹部の…

医療連携

昨日来た患者は2年ほど前に心筋梗塞をやり、その後精神的にもやられてしまい、薬を飲んでも治らず、最近は腰まで痛くなったのでペインクリニックで注射を打っているがあまり効かないという。 薬を見たら15種類ぐらい出ていてさすがに本人も、「なんか多いいんじゃないかなぁ」と感じていたという。 心筋梗塞の前は高脂血症や尿酸の治療を内科でしていたが、心臓のステントを入れる話になり、循環器からも薬が出ている。これは…

治療は1/2ゲーム

これは我々の感覚だが、10の痛みを1回治療して1/2の5つまり半分にしようと思っている。2回目の治療では5の半分2.5、3回目はその半分1.25を目指している。3回治療すると10が1.25になる計算だから、80-90%痛みが取れる計算になる。勿論そんなにうまくいくケースばかりではないが、「治療は1/2ゲーム」我々はそんな感覚を持っている。だからほぼ3回の治療で治まると思うという話を良くする。これが…

健康長寿

最近は年を取ったせいが、色々な資料を見ていても「健康長寿」の記事に目が行ってしまう。現段階で当院が考える健康長寿に関して、少しお役に立つ話をしたい。 がん予防-これは以前、Bi-Digital O-Ring Testで学んだことだが、足の三里を刺激するとがんになりにくいという話、20年近く前に当院の患者にがんが少ないので理由を調べたら、足の三里の刺激が有効ということをこちらが知らないで治療の流れと…

身体で決まる運命

以前から身体に関してはシナリオ論(人の運命は初めから決まっているのではないか)や身体で決まる職業のブログは書いている。身体と運命とはわかりやすく言うと、筋肉の質がすごくいい人は100m走は速い。逆にマラソンは苦手な人が多い。これは生まれながらに持っている筋肉の質によって出来ることが決まってしまっていることを意味している。中国ではこの辺の研究が進んでいて、子供の遺伝子を調べ、「あなたの遺伝子はバスケ…

何でも痛みを取れば良いというものではない

これはとても印象に残っているご婦人だが、こちらが膝を治そうと思うと、「先生、そんなに熱心にやらなくてもいい」と言われてしまった。変なことを言うなぁと思いながら色々と話を聞いたら、理由が分かった。「私が調子良さそうにしていると、娘からこき使われてしまう。痛がっていると医者に行けと言われる。医者に行っているけど良くならないという状況がいい。膝の痛みが取れてスタスタ歩いていれば、『何だ調子いいんだ。だっ…

快適な旅のヒント

仕事柄、毎日多くの方としゃべっている。実家に帰ったり、友達との旅行の話は多く、そんな中で時々成る程と思うことがある。それは夜の過ごし方である。実家に戻っても実家には泊まらないという話を初めて聞いた時は少し驚いたが、よくよく考えてみると一理ある。年老いた両親に食事や寝床、風呂の支度までさせるのは忍びない。自分もしたくない、そうなると近くにホテルに泊まるという。夕食は外で済ませ、少し実家に戻って話をし…

最後はお灸で決める

鍼灸学校に入るまでは、「やがては鍼の名人になろう」と思っていて、灸のことなど全然頭になかった。実際学校の授業でも、灸は「もぐさ捻り」ばかりで全く面白くない。国家試験を取った後も、鍼でどうやって痛みを取るかばかり考えていたから、灸に関しては患者さんから言われればやっているだけで、こちらからは余りお薦めしなかった。そんなある日、病院勤務時代に坐骨神経痛の酷いヤクザの親分が来て、「医者に注射を打ってもら…

肘の気持ち

以前からお薦めしないスポーツはテニス・スキー・ゴルフと言っている。その理由は簡単でそのスポーツをやった後に、必ず当院に来るからである。プールで泳いでいる方で、「髪の毛がまだ濡れているんです」と言ってくる人は1人もいない。一番やっかいなのが、ある程度時間的にもゆとりが出来、テニスにはまる方達である。そういう方達は全員、「青春」と「挑戦」と同じ事を言う。そういう方達は初めは週に1-2度やっていて、ダブ…