今までの医学常識が変わってきた

以前から、「腹筋は腰に悪い」と言ってきたが、最近バスケット協会が同じ事を言いだし話題になっている。
この業界に長くいるとある日突然、正反対の治療法が標準になることがある。
昔病院勤務時代は脳梗塞はまず2週間は安静でそのあとでリハビリを開始していたが、今は2-3日で開始していて、安静期間が短い。
骨折なども兎に角固定だったのが、今はギプスをしながら筋トレの指導をしている。
リウマチも暖めるのが当たり前だったのが、ある日から冷凍療法になり我々は耳を疑った。
1つの論文が発表されただけで、常識が非常識になってしまう。
何とも怖い世界だが、結局それだけ人の身体がわからないと言うことである。
未知なものに対して過去の経験で色々な治療を考えるが、少し深く人体に関してわかってくるとそれが通用しなくなる。
医学会以外でもよくある話であるが、治療法が否定される度に未知なものに対して謙虚に事実を積み上げる必要を感じる。
以前、父が交通事故で首を痛め親指にセロテープを貼っていた。
何をしているのか聞いたら、「鞭打ちの後、指がシビレる。セロテープを貼ると何となくいい。だから貼っている。お前も治療家なのだから少し研究しろ。」と言われて、当時はそんな治療法は存在しなかったので、「そんな話は聞いたことはない。」と言ったが、それから10数年してキネシオテーピングというのが開発され、指のシビレに有効ということを学んだ。
今から思うと治療に素人の父親が正解だったわけだ。
新しい医学は決して専門家だけで出来るものではなく、患者の生の声が1番正しい。
理屈を考えるのは学者だが、これからは一般人が医学の常識を変える時代が来ると確信している。

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