常連さんに落とし穴

仕事柄、身体のメンテは勧めているが、時々の常連さんに落とし穴がある。
最近3例あったので紹介したい。

1.乳がんをやった方が、ご主人と喧嘩して免疫を落としたケース
免疫を上げるために食生活の指導や乳酸菌、温熱をしていて経過が良かったが、喧嘩の後免疫指数が極端に下がっていた。この方には、「まだ若いから喧嘩は分かるが、免疫を下げてがんを喜ばせるのはどうかと思う。まずはご主人を受け入れて、がんを喜ばせてなるものかと思えば、少しは腹が収まるでしょう。喧嘩するのは大体同じレベルだから喧嘩になる。精進してレベルを上げなさい。喧嘩にならないから・・・。」と話した。

2.膝痛で通っている方にお腹との関係を話していなかった
膝の治療は太腿がポイントであるが、最近気候のせいか坐骨神経痛で太腿の裏まで辛いという。こういう場合は腰痛が簡単に起こるので、按腹をするのだが週に一度治療をしているとすぐに良くなってしまい、そちらまで気が回らず、ある時お腹を触ったら相当の便秘だった。常連過ぎるともう判っているものとこっちが勝手に判断してしまい、お腹を疎かにしてしまった。これはこちら側のミスである。

3.子宮がんを摘出した方に胃炎で簡単にぎっくり腰が起こる話をしていなかった
お腹を開け子宮を摘出しているとどうしても腹筋力が弱くなってしまう。こういう方が何かのきっかけでストレスにさらされると、すぐに胃炎になり簡単にぎっくり腰を起こす。一度お腹を開けた方は胃炎には普通の方より注意が必要である。定期的に来ているときはまだいいが、忙しくなると中々通い続けられる方は少ない。そして半年から1年ぐらいサボるとぎっくり腰で来る。このパターンは多い。

数ヶ月に一度来る方は、この際何でも診ておこうという意識がこちらは働くが、常連さんだとどうしても、「まぁ、大丈夫。またすぐ来るから。」と思ってしまう。そこに落とし穴があった。毎回色々な話をしていき患者さんのレベルが上がってくると、「○○ぐらいは当然知っている。」と勝手にこちらが思い込んでしまう。同じ時期に3人も出たので、ふんどしを締め直さないといけない。よく風邪の季節に内科で、「先生、咳が止まらないのです。」「あなたは毎回、○○だからまた○○でしょう。大丈夫、いつもの薬を出しておくから。」と言われて治らず、大きな病気が中に隠れていたケースはよく聞くが、常に落とし穴のことを考えておかないといけない。大分前だが、「先生、治療に必要なものはなんですか?」「それは素直な心。囚われない心。」と教えて戴いた事を思い出した。

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