まず歯から
いつも手の使いすぎで関節痛を訴えてくる方が、今日は手の平が痛いという。調べてみると背中が硬くて、おかし いと思って聞いたら、入れ歯の調子が悪いという。本人、入れ歯と背中、手の痛みが結びつかないだろうから説明した。歯の噛み合わせはとても大事である。鬱 病でもがんでも、免疫関係、身体の何処に痛みがあっても歯は一番最初に治してもらう。我々が治療して、少しでも歯がおかしくなると我々の治療効果は完全に 消えてしまう。それぐらい歯は大事である。まず歯から治そう。腰痛で下半身の治療をしているとやけに筋肉が反応しない。こういう方は以前にもいて歯の問題が殆どなので聞いてみたら、噛み合わせが悪くそれを治すには顎 の骨切りしかないという。歯はそのままだという。しかしまだ若いので、骨を切らないまでも抜くとか歯列矯正とか方法はあるはずだから、2ヶ所ぐらいで相談 してみたらどうかと話した。本人は意外なことを言われた感じで、そういうものですかと聞き返していた。歯を徹底的によくすることはとても大切である。私な ら将来を考えて、腰痛も含めどれだけ身体が変わるかわからないので、歯医者には相談する。下半身を治療しただけで、歯のことが浮かぶぐらいだから、かなり 悪影響はまちがいないと思う。歯の問題は外せない。
顔面神経麻痺の方を歯医者に紹介したら、出来れば歯列矯正をした方がいいと指導を頂いた。歯医者の話ではもう40年以上噛み方がおかしく、顎がずれている という。お金もかかるので、強くは勧めなかったのだろうが、私は是非やって下さいと言った。理由は簡単でその方は虚弱体質で、腸は弱いし、粘膜も弱い。鼻 炎、耳の症状、ドライアイに生理痛、生きてるだけで精一杯。そういう環境の中で顔面神経麻痺を起こした。初診時に「あなたは生きているだけで精一杯でしょ う。」と言ったら深くうなずいて、「そうなんです、そこをわかって貰えないのです。」と言っていた。身体を強くするには腸を強くすることは大事だが、歯が ダメではどうにもならない。歯が先である。その上で腸を強くしたり、粘膜を鍛えたりをすれば元気に暮らせる。
首のゆがみ
片頭痛があると同じ側の顎関節に負担がかかり、噛んだときに物を硬く感じます。片頭痛は首のゆがみなどでよく 起こるのですが、そのゆがみの影響は頭だけではなく、耳の周辺にも及びます。耳の前には顎関節がありますので、物を噛んだときにいつもより硬く感じたり、 嫌な気分になります。何時も行くお店で同じ物を頼んでいるのに、やけに硬く感じたりするのは店のせいではなく、自分の顎関節に問題があるかもしれません。歯に原因がなくて食事中にテレビなどで横を向いて食べるが故に、首のゆがみや片方で噛む場合、テーブルの上に「テレビを見るな。両方で噛め。」という張り 紙をお薦めします。噛み合わせなどは無意識で行うことなので、何か注意されないとすぐに癖が出ます。無意識の恐ろしさですが、紙1枚あれば矯正できるの で、テーブルの上に書いて置いておいて下さい。
さまざまな影響
手術や頸椎の後遺症はまず腸と噛み合わせの治療から始めます。乳酸菌摂取や専門の歯医者の協力が大切です。
胃を壊して首を痛めた方が、スッキリしないという。色々調べたら、噛み合わせ不良でこめかみの痛みが起こっていた。以前口に物を入れたら30回噛むよう指 導していたが、疲れるということでおろそかになっていた。最近は忙しさのあまり全く噛まず、飲み込んでいたと反省していた。これでは胃は怒る。頭痛などの 神経の興奮があると首の痛みは治まらない。試しにこめかみの集中治療をしたら、首の硬さがとれてしまった。何事にも明確な原因がある。脳梗塞をやった方が、急に腰と肩が痛いという。話を聞いたら、前歯を1本抜いてから、3週間ぐらいして急に痛くなったという。噛み合わせが狂っただけで、 人間の骨格は簡単に狂う。背骨が曲がるぐらいの影響力がある。毎回歯の影響力は感じているが、中々本人には理由が掴めない。肩関節の周辺を丁寧に治療した ら、殆ど痛みは取れてしまったのでよかったが、こういう場合整形外科でレントゲンを撮っても、何も出ないであろう。我々なら、歯を治療したら何処かが狂う と思っているので、少しおかしくなったらすぐ治療する。今のところこれぐらいしか対策がないのではないだろうか。関節でも腸でも感染症でも頭の血流でも免 疫でも、毎回歯の全身への影響力の強さを感じるばかりである。脳梗塞の後遺症で来ている方には伝えているが、よだれが垂れたり肩の痛みがある場合、まず歯の治療をします。脳梗塞で片麻痺と言って右か左の半身の運動機 能がやられますが、顔面の筋肉もやられるのです。それでよだれが垂れてしまうわけですが、歯の噛み合わせも狂います。歯のそのままにしておくと中々肩の痛 みも取れず手こずります。脳梗塞と歯の関係はピンとこないでしょうがリハビリには大切なポイントです。
子供の場合
5歳児が首が痛いと言ってきた。診ると確かに首がゆがんでいる。横を向きにくいという。こういうケースは先天 的な斜頚でない限り原因が2つである。1つは食卓とテレビの位置関係。ご飯を食べながらテレビを見る時に、横を向くようでは首を痛める。もう1つは乳歯が 抜けて噛み方がかたよった場合である。それを指摘したら、両方あるという。少し首を伸ばして引っ張って殆ど痛みは取れたが、そんな所に原因があるんですね と驚いていた。子供の頭痛の場合、親は頭に何か異常があるのではと疑いますが、歯が抜けたりして噛み合わせ異常が原因のことがあります。プールで中耳炎なども頭痛の原因 になり、この時期、耳鼻科や小児科と親は色々大変ですが、checkしておく必要があります。小学校低学年でも噛み合わせは子供自身自覚があって、こちら が聞くと左ばかりで噛んでいたと言います。中々歯痛でもない限りと頭痛と結びつけませんが、噛み合わせも聞いてあげて下さい。
歯列矯正
側彎で右肩が下がっていて、足の長さも気にしている方に、何処からこの症状が出たかを説明した。最大の原因は 歯である。学生時代歯を抜いてそのままにしていたら、極端に歯並び悪くなってしまったそうだ。そのまま数十年経ってしまった。今は60才を超えたが、今か らでも歯列矯正を相談してみる価値はあると思う。よくきている50代の方で歯列矯正を始めた方がいる。歯の噛み合わせや歯列矯正でどこまで側弯が治るかは 難しいが、我々のやっている脊椎矯正などではすぐに戻ってしまう。この説明を聞き、本人は少し迷っていた。まずは金額。何処かで聞いたらしいのだが、歯列 矯正は3年で100万円かかるという。それと勇気。今更やってもという気持ちと何とかしたいという気持ちで揺れている。患者さんは色々な選択を迫られる場 面で心が揺れるが、このケースやってみてはいかがかと思う。理由は2つある。歯列矯正まで手を出さないと、側弯や肩の左右差の有効治療にならないというこ と。以前から噛み合わせのことは訴えており、その都度、腰痛や坐骨神経痛を治療してきたが、すぐに再発してしまうということ。やらない後悔は心に残る。 やってダメだとあきらめがつく。決めるのは本人だが、私ならやる。
乳酸菌
膝の治療できた方がベッドから落ちて打撲したという。同時に歯も取れて食べ物が噛めないという。こんな時に必 要な治療は乳酸菌である。理由は噛めなければ胃腸に負担がかかる。腸が弱くなれば腰がつらくなる。膝の打撲はうまくいくと怪我の功名で前より良くなる可能 性は高いが、腰の調子が良くなければ治癒が遅い。それを乳酸菌で解決する。胃腸への負担を減らし、打撲の治癒も遅らせない。ここまで説明すれば理解して戴 けると思うが、膝と歯の治療でなかなか乳酸菌は出てこないと思う。