長年仕事をしていると会社が倒産したとか、離婚をしたとか、子供を亡くしたとかいろいろなお話を伺います。その都度、体を拝見しているわけですが共通項があります。
それは「どんなに辛いことでも体は2年で回復する」ということです。もちろん心の傷は一生残ることはあるでしょうが、体を拝見していて2年以上長引いたケースは殆どありません。おそらく細胞の新陳代謝と一緒に、心が癒されて体に残さない仕組みがあるのだと思います。
会社倒産などの場合、社長がなかなか通えなくなりますが、1年半ぶりぐらいで体を拝見するとかなりリフレッシュしていて、それを伝えると大変喜びます。まだまだいけるといった感じです。
子供を亡くされた場合、特に母親の体はひどいものですが、心の傷が消えることはなくても、体は2年ぐらいで回復します。
配偶者を亡くされた場合、男性の方がやられていると感じています。ご主人を亡くされた場合は、奥様からその話はあまり聞きませんが、奥様を亡くされた場合は、問診時に必ず、「この間、妻を亡くして・・・。」と必ず言います。こちらは何処が痛いのかと聞いているのですが、言葉が出てしまうのだと思います。男性は6ヶ月ぐらいは殆ど立ち直れず、ギリギリ2年ぐらいで何とか立ち直れる感じです。
こういう経験をしていると、患者さんには「どんなに辛いことでも2年間の辛抱。体は必ず回復するから。」と言っています。その時はわからなくしても希望の種になります。
折角、幸福を味わうために生まれてきているのですから、どんなに辛いことでも2年の辛抱と思っていれば乗り切れます。人間が悩むのはこの苦しい状態がどれだけ続くかわからないのがきついので、あと1年と3ヶ月と逆算出来れば、気持ちは楽になります。
体が楽になれば心も軽くなります。