いい先生の見分け方

最近はマッサージブームとやらで、何処をみても「癒し」の文字が町中に溢れています。これだけ多くの治療院があると選ぶのも一苦労です。すぐにいい先生と出会えればいいですが、皆さんからよく聞こえてくる声をまとめてみますと次のようになります。

1.外観はおしゃれだけど技術は大丈夫?
2.免許持っているのかしら?
3.サプリメントばかり薦められるけど・・・
4.信頼できるの?

どれもごもっともな疑問ばかりです。いきなり入るのもなんかいやだし、でも腰は痛いし、色々な不安を感じながら、治療院の門を叩くのだそうです。いわれてみればなるほどと思います。ではどんな基準で捜したらいいのでしょうか?この道40年のプロがそのコツを7つにしぼり皆様にお伝えいたします。最近は「どんな医者とご縁があるかも寿命のうちといわれている時代です。

【ポイント1】
的確性はどうか
治療はこの「的確性」ですべて答えが出せます。的確な病状把握・治療・予後(よご)(今後どうなるか)・予防・危険性判断・・・・。本人も気がつかない原因を探し出し、どういう治療法を選択すべきなのか、病状の推移、生活指導、気をつけなければならないことなどを明確に説明して頂ければこんなに心強いことはありません。すべての病気が説明できるわけではありませんが、治療の可能性に関しても引き出しがいっぱいあり、これがだめなら次はこれで行きますとどんどん提案が出てくること。「この症状はあきらめる必要はありません。こういう治療で改善する可能性があります。」何でも「良くなります。治ります。」と過大な期待だけを与えて、結果が・・・というのも困りものですが、やはり治療には夢と希望がなくては継続できません。人間のやることですから、間違いが全くないとは言えませんが、いい加減な予測ではなく、的確な判断で治療をして欲しいと思います。

【ポイント2】
先生との相性はいいか
治療の世界は人間同士の世界ですから、先生との相性はとても大切です。何となくこの先生が好きだとか、色々としゃべっちゃうとか、説明内容がわかりやすいといった自分の感情に訴えてくるものは大切にしたいものです。治療はどちらか一人でできるものではなく、お互いに問題点を見つめながら積み上げていく共同作業ですから、相性が悪いとそこでコミニュケーションが止まってしまい先へ進みません。いやだなぁと感じている先生なら違う先生を捜しみてはいかがでしょうか。相性のいい先生との治療効果はとてもよく、思わぬ結果を出すこともよくあります。「心の力」を引き出してくださるのでしょうね。

【ポイント3】
コミニュケーションはとれているか
よく先生の前に黙って座って、「この先生はなんでも解ってくれているから、何もしゃべらなくてもぴたりと当たる。」占いみたいに思っている方もいますが、治療する方も魔法使いではないので、皆さんとコミニュケーションを取らないと何事もうまくいきません。前回の治療の結果はどうなったのか、新しい治療法を開始して体調はどう変化したのか、痛みはどうなったのか、等々正確に変化、今の状態を伝えることが大切です。その情報をもとにこちらは次の手を考えるわけですから、黙っていては何も分かりません。そして人間同士ですから、思いこみ、早合点、勘違い、ケアレスミスなどはつきものです。最近、新聞を騒がせている医療事故はほとんどが基本的なミスが原因でコミニュケーションがとれていれば防げたものばかりです。治療を受ける方が「前回○○で診て頂いてこうなって、その後○○なのですが・・・」といった一言はとても大切です。

【ポイント4】
無理矢理何かを買わされないか
これもよく聞く苦情です。「初診時に10回分の回数券を買わされた」とか、「健康食品をしつこく勧められて断りきれなかった」とか、「免疫を上げるために1年間続けなければだめだと言われて買わされた」など、治療費よりもよっぽど高いケースがあります。本当に治療効果を上げる一環として必要なものを除いて、あまり色々薦められると、疑いたくはないですが、「この先生、商品で儲けているのではないかしら。もっとちゃんと治療してもらいたいのに・・・」と感じてしまいます。

【ポイント5】
研究熱心か
学校で教わる技術は実際の治療では使い物になりませんから、免許を取ったあとに勉強が必要になってきます。自分で開業するまで勉強して、あとは余力で何とかというほど甘い世界ではありません。患者さんも年々難しい人ばかりになり、否応なしに自分の実力を見せつけられます。自分が能力開発しない限り対応できません。人体は知れば知るほど深くなっていき、またそれは神秘への興味でもあるのですが、年々、必要勉強量が増えていくように思います。深く広い知識は色々な切り口で事実をみることが出来るので、新しい道も開けてきます。私が憧れている先生方は例外無しにものすごい勉強量です。私も、その意欲だけはいつ迄も持ち続けたいと思います。

【ポイント6】
治療に対しての考え方は
これは可能性のことです。例えばがんの治療で放射線をかけたとか、抗ガン
剤をやったとか、その副作用で色々とつらい症状が出るのは仕方のないことだという考え方です。確かに学校ではそう教わったかもしれませんが、この世にそれ以外の治療法が存在しないわけではありません。色々と可能性を求めていくうちに、新たな扉が開くわけです。常に自分のやっていることに疑問を持ち、「もっとすごいことを考え、やっている人間がいるに違いない。患者さんの症状が改善しないのは、相手のせいではなく、自分にはまだ見えていないものがあるに違いない。欠点を補っていこう。専門の先生にご指導を戴こう。謙虚に事実をみていこう。過去はそうかもしれないが今は可能性を追求していこう。」道を求めている先生の言葉は違います。

【ポイント7】
他院への紹介を快くしてくれるか
名医と言われる先生ほど謙虚で、ご自分で解決できない問題は色々な分野の専門家にアドバイスを求め、詳細なデータ、意見書を渡し、時には他の先生の治療に随行なさり、ご自分の目で確かめられ、その病状の経緯を細かく見ていらっしゃいます。何ともすばらしいサポート体制です。これらは患者さんにより適切な治療を受けさせてあげたいと思う心の表れであると思います。症状が改善しないのに、いつまでも自分の所だけで患者さんを抱え込んでいる先生は考えものではないでしょうか?だめな先生ほどそのようであると感じているのは私だけでしょうか。

最近は「予後-よご」が大切だと感じます。予後とは病気の回復時期や見込みのことで、「予後がいい」というのは大抵治ることを意味し、「予後が悪い」というのは改善しないことを意味します。いい先生はこの治療をしていく中で将来どうなるという話が多い。坐骨神経痛なら今はこうだけど何回ぐらいでこうなって、途中はこんな反応が出ます、その後にこの症状が出たらこういう選択肢があり、その時は何々をやって戴くかもしれません。大体○回ぐらいでほぼ8割は痛みが取れて、今後再発させないために今から○○をやりましょう。話を聞いているだけで映像が出てきそうな話し方をします。先生の頭のなかではもう治癒まで見えているのである。場合わけもされていて、こうなったらこうというのが頭の中ですっきりしているものです。しかし経験のない先生は、「とにかく頑張りましょう。全力でやります。」という。もちろんそういう先生が全て悪いわけではないが、自分の症状が将来どうなるということを聞きたいのが患者心理なので、具体的に説明してくださいと言って答えられなければ、先生を変えた方がいいのではないかと思います。

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