飲食関係の方が膝を痛めたという。お膳を運んだりしていると、どうしてもお客さんに、「足どうしたの?」と言われてしまう。皆が心配してくれるのは有り難いのだが、実は困っているという。話を聞くと、「加圧トレーニングが1番いい。」「スポーツジムに一緒に行こう」「このサポーターを巻くといい。」「この薬は膝に効く。」「いい医者を知っている。」「何処何処の院長に頼んであげる。」とあまりに言われるので断りにくいという。サポーターとサプリは試したが効果がなく、加圧は行こうと思っているという。それでだめならいい医者を紹介してもらうという。当院の予約が取りにくかったこともあり、発症から2週間後に来て調べたら普通の膝痛ではなく「鵞足炎-がそくえん」だった。聞き慣れない名前だろうが、鵞足炎は膝のお皿が痛いのではなく、膝の内側の下の所に痛みが出る。医者の診断は変形性膝関節症だが、出ている症状は鵞足炎である。それがわかってサポーターを見ると、鵞足炎には役に立たないサポーターで、サプリも効果のないものだった。鵞足炎なら何処かの筋肉に負担がかかり、それで症状を起こしているのだろうと思い調べたら、ハムストリング(太腿の裏)が異常に硬い。原因はこれに違いないと治療したら、痛みが殆ど取れてしまった。本人もビックリして、「私この2週間何をやっていたのだろう。」と言っていた。お客さんの親切心は有り難いが、やはり治療は的確にやる以外方法がない。お客様商売でこの悩みを持っている方は多いいのではないだろうか。
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