長いこと仕事をしていると紹介が増える。有り難いことだが、厳しい一面もある。例えばAさんが5人にしゃべったとして、5人全員良くなって次の6人目にしゃべる。5人紹介して3人しか良くならないとAさんは6人目に声をかけない。紹介する方も不安だからである。「あの先生に紹介して大丈夫かしら。」という心理が働く。こちらも神様ではないので、全員良くならないまでも今まで受けた治療で1番いいとなれば、紹介は出る。そして次から次へとしゃべる方は段々難しい方を紹介してくる。「あの方も良くなったから、今度はこのレベルの方を紹介しても大丈夫かしら?」という心理である。こちらも段々治療精度も上げていかないといけなくなってくる。病状の把握もいい加減にしているとなかなか良くならないので、1/100の精度から1/1000の精度が要求される。ほんの少しの見落としや治療法、刺激量なども高い精度でないと対応出来ない。これが1番我々の技術を上げるのではないだろうか。このまま紹介が出ると今度は1/10000かと思うと、気持ちが引き締まり同時にワクワクしてきた。