解説書を読みながら患者さんの顔が浮かんだ話

頭痛持ちの方はわかるだろうが、鎮痛剤毎に全く効きが違う。薬をあまり飲みたくないと思って、ハーブを試した方も中々いい結果が出せていないのではないかと思う。ハーブは血行が良くなると謳っているので、「頭痛、肩こり、腰痛、冷え性、生理痛」と何でも効くように書いてしまう。しかし実際はそんなには効かない。当院に頭痛で通っている方に話を聞いても、これが良いハーブというのはあまり聞いたことがない。しかし長年の治療経験があると、特効薬らしきものを見つけることがある。先日も20年来の頭痛の方の特効薬をあるハーブの解説を読んでいたら、その患者さんの顔が浮かんできて、直感で「これは効くな。」と思ってしまった。根拠はないが、時々こういう事はある。結果は大変満足のいくもので、その患者さんから、「今まで私はどれだけハーブを試したかわからない。勉強もしたし、どうしても巡り会えなかったのにどうやって見つけたのですか?」「僕は戌年なので匂いです。クンクンクン・・・。」「私も商売をやっているので、そういうのはわかります。第六感みたいなものですよね。」「あまり良くわかりませんが、論文を読んでいて患者さんの顔が浮かぶことはそんなに良くあることではありません。しかし読めば読むほど患者さんの顔がはっきり現れてきたので、間違いないのではないかと思っただけです。」「こんなに効くハーブは初めてです。薬が以前の半分になりました。」「良かったですね。」違う患者さんに「私はなかなか治らないのですが、何か読みながら私の顔は浮かびませんか?」と言われても困るのですが、長年やっているとこういう体験をすることもあるのです。

 

image_print印刷する