薬剤の専門家が、「肩をまとめて楽にする方法はない?鍼灸はピンポイントだし、マッサージ以外の方法で。」と聞いてきた。「基本的に我々の治療は刺激療法です。だから『どんな刺激』を『どれだけ』がポイントです。まとめて楽にするのにミオナール(筋弛緩剤)を毎回使うのも嫌だし、ピンポイントでなければカッサ療法と言って皮膚を擦る治療はあります。少しミミズ腫れを起こしてそこを修復する際に、肩こりも良くなってしまうというやり方です。あとは吸角や瀉血、患部に蜂を刺すやり方、マウスピースや鼻炎から治す方法、骨格のゆがみなら骨盤や仙腸関節、足のアーチから治す方法。お腹の問題から肩こりになるので胃薬や乳酸菌、葛根湯みたいに血流剤を使う方法。岩盤浴やサウナのように温熱効果を狙うか、逆に冷凍療法で冷やす、そして快復力を待つか高圧酸素を使うなど色々と考えられますが、結局は肩こりが何からきているかの原因を突き止め対処するか、患部に何かの刺激を与えて血流改善を狙うかです。そのために刺激の種類が変われば身体の反応は変わります。よく患者さんで『首のここは鍼を打って、お腹のここは灸、背中は揉んでください。』という方がいるが、おそらくその症状に対して刺激が変わると身体の反応が変わり、本人が感じる治癒のレベルが違うのだと思う。例えば鍼を打つと脳内の麻薬が出て痛みにいいとか、灸は白血球が増えて炎症を鎮める物質が出るとか、マッサージは皮下の脂肪や筋膜に刺激がいって何か物質が出るというように変わるのだと思う。そして最後はどの刺激がいいかは患者の好み。このやり方を中国では3000年やっている。」こんな話を1時間していたら、時間切れになってしまった。たった肩一つ楽になるにも長い歴史と経験や種類、考え方があるものだと改めて感じた。
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