これはITの社長に昔聞いた話したが、会社を上場するまでにトラック数台分の書類を作ったという。毎晩深夜まで作業をしながら、「心が削られる」とよく言っていた。その社長から「休むことを仕事とせよ」と教わり、その後多くの方に伝えてきた。その後会社が大きくなると問題が高度化・複雑化して、判断に困るようになった。外部との関わりも増え、判断基準を何処に置くかという話を聞いた。そんな時、「心が汚れる」と言っていた。だから神社か山にでも行って、「俗世間から離れ、汚れを落としたい」と言っていた。特に大きなお金が絡むと汚れると言っていた。こんな話を時々患者さんにするが、体験した方は「うまいことを言う。その通り。」と共感する。削られた心を会社が上場したから修復できると思ったら、今度は汚れる。中々修行は終わらないが、仕事を定年して別の仕事を始めた方にも当てはまる。時々、色々な社長が山に登るとか言うが、「清めにいくのだなぁ。」と毎回感じている。やがては仙人にでもなれば汚れないのかもしれないが、その道は遠そうである。
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