「何もしていないのに・・・。」と言う方へ

仕事柄、「○○がこんなに悪くなっています。何をしたのですか?」と聞くと、「何もしていないのに・・・。」という答えがよく返ってくる。
ご本人は何もしていないかもしれないが、身体の中では凄いことが起こっていて、その一部を紹介したい。

まず細胞には寿命があって、壊しながら新しいものを作っいく。
赤血球の寿命は約120日間。
胃粘膜構成細胞の平均寿命は,表層上皮細胞が2-3日、幽門腺細胞が14-20日。
骨細胞の寿命は10-20年、骨芽細胞は数ヶ月、破骨細胞は数週間。
肺は日に1万リットル(500ミリリットルを2万本)の空気を吸う。
心臓は約22日周期。
肌の細胞は約28日周期。
心臓は1回の収縮で約60ミリリットルの血液が送り出され、1分間に60~80回収縮し、約5リットルの血液量が全身に送り出されている。
拍動の回数は1日約10万回、一生の間には40億回以上も打ち続ける。
腎臓の糸球体で濾過される原尿の1日量は15万ミリリットル。
実際には1日の尿量は1200-1500ミリリットルなので、原尿の大部分は尿細管で再吸収される。
膵液という消化酵素を、一日500-1000㏄分泌。
胃酸の分泌は1日に1.5-2.5リットル。

これは身体の中で起こっている活動のほんの一部を紹介しただけだが、今こうして息をしている瞬間も心臓や内臓は絶え間なく動いて生命活動を支えている。
何もしていないと思っているのは本人だけである。
見えなくても身体の中では瞬間瞬間でダイナミックな変化が起きている。
身体の中で何が起こっているかがわかると、自然に呼吸ができ、心臓が動いてくれることに感謝の気持ちが湧くのではないだろうか。

image_print印刷する