常連さんのご主人が、「最近、眩暈、立ちくらみ、動悸が起こる。すーっと立った時に良く起こる。動悸は5秒程度なのだが心配で頭のCT・MRI、心臓まで調べたが、何も出ない。」と言う。「それは耳鼻科に行くんです。」「え、耳鼻科?」「はい、立って起こる動悸は首の動脈が硬いか、鼻炎持ちです。おそらく耳にも影響しているのでしょう。急に立って心臓は血液を脳に送らなければならないのに、鼻炎や耳の調子が悪いと、眩暈、立ちくらみは起こります。本当に心臓が悪いなら、動悸が何時出るかわかりませんが、立った時だけなら鼻と耳を疑います。EAT(Bスポット療法)を受けて下さい。」「最近それ以外に首がこって、頭痛がある。」と言うので首を調べたら、「典型的な顎関節症による首のゆがみ」がある。「これは歯医者でマウスピースを作って下さい。」「え、顎関節?噛むところ?」「そうです。おそらく、噛み合わせと鼻炎の両方で耳の機能不全が起こったのだと思います。頭痛もマウスピースで良くなると思います。」「循環器と脳を調べたのは無駄だった?」「無駄と言う事はありませんが、原因がそこにないのです。耳鼻科と歯医者で良くならなければまた来て下さい。」「ま、なんか原因がわかって良かった。行ってみる。」ということで一件落着。本来なら循環器で、「心臓を調べますが、異常が出なければ耳鼻科やホルモンを調べましょう。」と言って頂けると有り難いのだが、患者が動悸と言っても、「心臓に問題はありません。」の一点張りで会話が進まない。やがては身体を縦割り以外でも見る方法が出るだろうが、当分はこう言う患者は続くと思う。まさに「子供不良理論」で出ている症状にいくら対応しても無駄である。
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