何となく江戸時代みたいで、余り感じの良い言葉ではないが、NHKでiPS細胞の山中先生とタモリの番組で、骨に関しての番組を見た。骨というとただカルシウムの貯蔵場所や骨髄細胞ぐらいで他の働きはないように思われがちだが、若さに関する物質を司っていることがわかってきた。病院勤務時代によくお年寄りが股関節の大腿部頚部骨折をして、そのまま寝たきりになり一気に認知症も始まり具合が悪くなるケースを見ていたので、患者さんには「とにかく転ばないように。」ということはよく言っていた。番組では骨が作られたり、壊されたりするのにもある物質が関わり、骨密度が落ちて問題になったり、逆に骨を作りすぎて何年かに1度は削らなければならない病気があることを教わった。骨が出来なければ骨粗鬆症になって大変なことになってしまう。ではどうやって骨を作り続けるために刺激を与えるかというとそれは、「振動」だそうである。この話を聞きながら、これは「生かさず殺さず」ではないかと思ってしまった。よく子だくさんで朝から晩まで掃除に洗濯、買い物に食事の支度とめまぐるしく動いている方の中に余り病人はいない。どちらかというとお金に余裕があり、自分では殆ど何もせず、人にやってもらう方に中々良くならない症状の方が多い。身体を使っていないのである。身体を使わないので、振動が伝わらず、若返りに関する物質も出ないということになる。何となく動き回っている方の方が元気である。若い頃はがむしゃらに働いて老後は楽をしたい気持ちは分かるが、どうも骨はそれを許してくれない。以前ある会社の会長が中々後継者が育たず社長も兼務していた。以前うちに来たときに、「同級生は皆、自宅でゆっくり過ごしたり、時々はゴルフに釣りをやっている。俺などは未だに仕事をしている。しかし先日久しぶりに同窓会に出たら、あまりに皆じいさんになっているのにビックリして、これならもう少し頑張ろうかと思った。」と話していた。仕事があれば全国出張やゴルフに付き合いがある。どうも死ぬまで余り楽はしない方が天の理にかなっているように最近は思えてきた。
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