常連さんが肘の骨を折ってボルトで留めた。順調に回復していざ仕事復帰したら、そんなに無理をしているわけではないのに患部に熱を持ち調子が悪いという。仕事復帰は当然医者がレントゲンを診て、「もう大丈夫です。」と言われたからに他ならないが、いざ復帰してみると思いのほか負担はかかるものである。周りのスタッフも気を使ってくれて、重いものは持たなくてもいいと言ってくれるそうだが、自宅にいるようなわけにはいかない。ここで私は、「三角巾と1時間おきの湿布をしなさい。」と言ったら、「そんなものをしたらいかにも治っていませんと言っているようなものでやりにくい。」と言う。気持ちは分かるが大事なことはこのまま無理をして後2-3週間で仕事が出来なくなってしまうことである。本人は仕事が出来なくなると思っていないから、三角巾はしたくないだろうが、身体を診たらもう完全に赤信号で、このまま行けばひと月しないうちに根を上げると思う。そうしたらもっと迷惑がかかる。三角巾は腕の高さを心臓と同じにするので腕の疲労回復が非常は早い。そして人は三角巾でもしていないとこちらが骨折をしたということを忘れてしまう。だから知らしめる意味と腕の回復のためである。それが長くちゃんと働けるコツである。中々すぐには本人は理解して戴けなかったが、話を聞きながら一理あるという顔をしていた。怪我は完全に治りましたという見た目のアピールも大事であるが、本当に大事なのはちゃんと長く仕事をすることである。
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