これは大分古い話だが、当時「耳ツボで痩せる」というのが話題になり、勤務していた接骨院でも取り組んでいた。私自身は殆ど興味がなかったが、たまたま担当されていた先生が休みで患者さんの鍼を交換してくれと頼まれた。交換しながら、「どうですか？」と聞いたら、「確かに食欲が落ち痩せたけど、上半身が痩せてしまう。特にほっぺたと胸、何となく貧相になってそこは痩せなくてもいいと思ってしまう。本当に痩せたいのはお腹とか下半身。そこは落ちない。」と言う。患者を見ているとまず効く人と効かない人に分かれる。効かない人からは当然苦情、効く人からは下半身が変わらないと苦情。どちらにしても文句を言われるのですっかり嫌になってしまった。この耳のツボだが確かフランスの鍛冶屋さんが間違って耳に火箸を当ててしまったら、坐骨神経痛が良くなったということを聞いたことがある。それから研究が進み耳ツボの位置関係を調べたら、胎児が逆さまになっている事がわかった。だから耳の下は頭のツボで、耳の上は足のツボと言うことになる。最近は騒がれなくなってしまったが、研究すると耳のツボは奥が深く、脳に近いがゆえに、頭の血流や精神疾患などにかなり応用できると思っている。
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