学生が何かの競技でよくジャンプをしたり、ダッシュなどのトレーニングをし過ぎると膝の痛みを訴えてくる。膝を反復的に使い、立ったり座ったりや膝の曲げ伸ばしで痛いと言う。これには分類が2つあって①膝蓋腱表層(滑液包)炎と②膝蓋下脂肪体炎(フォッファ病)である。膝蓋腱表層(滑液包)炎なら深く膝を曲げたときに痛むので見つけやすく治りやすい。しかし膝蓋下脂肪体炎(フォッファ病)だと、少し大変である。膝蓋下脂肪体は、膝蓋腱と骨の間にある脂肪組織で、膝を曲げ伸ばしする時に脂肪体が変形して、関節内の内圧を調整している。炎症が慢性化すると新生血管ができ、神経も増えてしまい痛みを出す。その後は繊維化して慢性痛になってしまう。昔はレントゲンで診断がつかなかった。MRIでやっとわかるレベルで最近は超音波診断装置で簡単に診断がつく。昔はこの脂肪体はあまり注目されなかったが、最近学会でこれがよく話題になる。脂肪体が繊維化し新生血管・神経ができる前に、運動負荷を減らしケアしなければ、慢性化してしまうので注意が必要である。
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