常連さんが久しぶりに来て左坐骨神経痛が辛いという。今まであまり坐骨神経痛を訴えたことがなかっただけに気になり、「少し痩せましたね。コロナの影響であまり動かないですか?」と聞くと、「お出かけはないし、買い物も楽をしている。植木も減らしたし、食欲もそんなにない。なんか足が細くなったみたいで・・・。」と言う。調べてみると大腿四頭筋(ふとももの前面)が3割程筋力低下を起こしている。ある程度の年齢になって筋力低下で何が起こるかは経験があるので少し話をした。「70代であまり動かないことにより体重が落ちる場合、落ちるのは筋肉です。脂肪はそんなに減りません。特に大腿四頭筋やふくらはぎ、お尻は早いです。下半身の筋力低下は立ったり座ったり、階段の上り下りを嫌がります。今回みたいに左坐骨神経痛を訴えているということは、おそらくここに来るまで2-3ヶ月は辛かったと思います。問題はこの後に何が起こるかです。この下半身の左右のアンバランスが続ければ、やがて腰痛が慢性し、背中が硬くなり、首がゆがむのです。首がゆがむと頭の後ろ(視覚野-物を見るところ)に血が行かなくなり、書類などを見ることを嫌がります。次に集中力が極端に下がります。根が続かなくなり、記憶が危なくなります。こんな状況が続けば認知症になりたいと言っているようなものです。だから筋力が落ちないよう先ずは坐骨神経痛を治して、階段の上り下りや自転車など大腿四頭筋に筋力をつけて、首のゆがみをきちんと治さないとダメです。あとは口腔ケアも大事です。」と話したら、「集中力と根と記憶はもう出ています」と言う。「では一つずつ取り組みましょう。」となったが、一般の方は坐骨神経痛と認知症は結びつかないのではないだろう。もちろんすぐに悪化するわけではないが、我々みたいに常に全身状態を診ているものからすれば、「下半身の左右差」と「首のゆがみ」「血行不良」は直結している。頭の症状がかなり進んでからでは治すのが大変なので、少し意識して「首のゆがみ」はないか定期的なチェックは必要だと感じている。
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