常連さんが最近、「声が通る」と人から褒められるという。我々からするとこの声は体調と連動している。体調が悪い時は何となく声にも勢いがなくなり、体調が良いと「張りのある声」という言い方をする。往年の歌手が久しぶりに歌うと昔みたいに声が出ない場面を時々見るが、声というのは明確に体調のバロメーターである。声に張りのある方であまり酷い病人は見たことがない。以前声楽家の川井弘子先生から、「身体は楽器」なので体調が悪いといい音色は出ないと教えて戴いた。声で思い出すのは湾岸戦争の時のビンラディンである。少ない情報の中から声紋を分析して、腎臓が悪いということを探り当てた。イタリアのオペラ歌手、パヴァロッティは膵臓がんで亡くなったが、昔のCDの音源から病名を割り出した先生がいた。それぐらい声は情報の宝庫だという。我々からするとこの声が変化したということは大変なことである。また、「いい声にして下さい」と言われると、身体をどれだけ治療しなければいけないか分からない。普段の生活で何気なくしゃべっているが、声がちゃんと出るということは、相当体調が良い証拠である。感謝感謝である。
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