先日、「先生にすべてお任せはダメ」と書いた。医者が描いている病気の変化と患者がイメージしているものが違うのである。昔なら狭い社会で台所や屋根、庭の手入れなどいつものなじみの方に治してもらい、見積もりも取らなかった。頼む方も大体こんなものという感覚があったし、実際やって貰ってもそんなにイメージしたものと差はなかった。なじみの大工さんも先代から知っているような方だと、お互いの家の事情が全て分かっていてあこぎな商売など出来なかった。こういう人間関係が出来ているなら任せてもいいと思う。医者も先代からのつながりがあるだろうから、「お宅の家系は血圧が高い。お爺ちゃんも高かったし、親もそう。息子も高いから同じ薬を使って様子を見る。」となれば任せられる。患者も、「先代の先生は実に偉かった。息子の代になって少し変わったけど、色々と勉強しているみたい。うちのことは先代から聞いているから大丈夫だろう。」となる。この人間関係が大事である。今は多くの方が都会暮らしで中々こうはならないから、医者に質問をして話を聞いて、先生を選ぶ事になってしまう。田舎と違う部分があるのは仕方がない。
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