股関節を痛めている方に以前、「プールで筋トレをすれば大丈夫です」と言ったが、実行した方から、「先生に言われたとおり、プールで筋トレを真面目にやって筋肉はついたが、股関節が良くならない」と苦情をもらったことがあった。正確に言うと、股関節を治すために必要な事は３つある。「筋肉をつける」「筋肉をほぐす」「関節を滑らかにする」だが、この「筋肉をつける」だけは我々が出来ない。他の２つの「筋肉をほぐす」「関節を滑らかにする」は我々が出来る。だから筋肉をつけた後は、我々が「筋肉をほぐして、関節を滑らかにする」必要がある。患者さんには、「筋肉がつけば大丈夫です」と言ってしまいがちだが、この３条件は外せない。股関節の気持ちになって考えると、「僕を支えてくれる筋肉がないと頼りない」と言うだろうし、「筋肉がついても硬くてちゃんと伸び縮みしなければダメ」「筋肉があって伸び縮みしても関節がスムーズに動かなければダメ」と言うだろう。これが満たされなければ本人に痛みで知らせてくるだろう。これが股関節痛である。関節においては「筋肉をつける」「筋肉をほぐす」「関節を滑らかにする」は常に必要な条件である。
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