長年治療をしていると「臓器の形」がとても気になる。腎臓や肺、肝臓なども形が大事で変形していれば、奇形や腫瘍、がんを疑う。1番わかりやすい話は「耳」で先天的に耳のない患者の「耳介形成術」はその形によって聞こえる能力が天と地ほど違うという。音を拾って増幅するのは形で決まってしまう。高名な先生に手術を頼むと数百万から数千万円という話を聞く。患者が子供の場合、その子の人生にも関わる話なので親にとっては高額の医療費は悩ましい話である。臓器は形がとても大事で、内臓の決められたスペースにちゃんと納まってくれないと周りを圧迫してしまう。心臓が大きくなれば食道や肺を圧迫して、物の通りが悪くなる。子宮が大きくなれば、直腸と膀胱を圧迫するので、便秘や頻尿が起こる。腎臓でも形が悪くなれば病気を疑う。殆どは先天的な遺伝子の問題だが、後天的にがんなどで変形の場合は見落とせない。しかし余程高額な人間ドック以外でそこまでちゃんと診てくれるケースは少ないので発見が遅れる。変形は皮膚のたるみ、骨・軟骨と色々な組織で起こる。許容範囲内であればいいが、整形領域では痛みに変わる。腰や首、膝、股関節などが良い例である。それぐらい身体は「形」で決まってしまう。
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