子供の名前

常連さんにもう少しで子供が生まれ、名前をどうしようかと考えているという。「我々の時代は男の子のは最後に『男』『夫』『雄』がよくつき、女の子は『子』か『美』『恵』と相場が決まっていた。それから少し流れが変わり、女の子の名前に『子』を使わなくなった。麻衣、なでしこ、佳奈などがそうである。最近は卓球を見ていると『美誠』『美宇』などが何故か多い。名前で困るのは『薫』『ひろみ』である。性別がわからない。又時代によっては昔なら『裕次郎』『旭-あきら』みたいに映画の影響も受ける。少し前のドラマだと『木村拓哉』の印象が強く、『拓哉』『一平』『大輔』『裕介』などもいる。以前患者で『木村拓哉』君が来ていたが、名前を言っただけで、『え、木村拓哉?』どれだけ人に言われたかわからない。親に聞いたら、『SMAPが流行る前からつけていた』ということらしい。また昔、総理大臣にあやかろうと、『田中角栄』とつけて、逮捕の後改名したらしいが、改名は予想できなかったと思う。知り合いに『信秀』君がいるが、『織田信長・豊臣秀吉にあやかって欲しい』という親の気持ちが伝わる。また患者で『辰徳』君がいるが、親が巨人ファンだとすぐにわかる。名付ける方はその世代のドラマや世相を反映して、イメージしながらつける。以前は命名を頼まれたら、姓名判断の本を数冊買いあさり、あーでもないこーでもないと画数を気にしながらいい名前を考える。これは大変な作業である。今ならインターネットで簡単に画数などは姓名判断できるが、名前をつける責任は重いものがある。私は個人的にはそのご夫婦が普段お世話になっている共通の恩師や先輩がいいと思う。どちらかの親に頼むとも後で火種になりかねない。恩師なら何かの時には『この恩師につけていただきました』と一生言えるし、七五三やお宮参り、運動会などにも来て頂ける。昔の婿や嫁を世話したおばさんみたいに。」とこんな話をしたら、「なるほど」と言っていた。

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