首を痛めている常連さんが少し酷くなり、専門家にちゃんと診てもらいなさいと指導して結果が出た。結果は年齢なりの骨の変形で、薬の種類は今までと同じでいいが、倍飲みなさいと指導が出たという。今までは日に1回だったのが今度は朝晩と2回飲んだら、とても楽になってラッキーと言っている。これには少し違和感を覚えた。本来は薬を使わなくてもいいレベルまで回復させたいのに、たまたま飲んで薬が効いたというのは、「薬があれば何とかなるじゃないか」と思っているわけで、難病で投薬がかかせない人ならまだしも、年齢的に頚椎症で薬がなくては生きられないという人は少ない。こちらは目標を、「痛いときは薬に頼るが、やがては周辺の筋肉や神経の環境を良くして、薬を飲まなくても何とかなる身体作り」と思っているのに、「薬があってラッキー」と言われると、困ってしまう。今はいいがその薬を一生飲むのかと言いたくなってしまう。以前もブログで、「鎮痛剤は病気を治していないという話」を書いたが、痛みを止めている間に体力の温存をはかるのである。それが目的であり、飲んで効いているからいいやは少し違う。こんな話をしたら、「そうなんですか」と言っていたが、やはり治療家の感覚と患者の心理には隔たりがあると感じた。
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