「今までは放っておいても身体は治ったが最近はダメ。」とよく患者さんは言います。そんな時は必ず、「身体に悪いことばかりして、身体に良いことをしなければ治るわけないです」と言っています。例えば腰痛持ちの方がゴルフばかりしていて、ほんの少しの安静と軽いマッサージで患者さんは身体が元に戻ると思っています。若い頃ならいいですが、40代以降では回復力が追いつく方の方が少ないです。身体が治るには条件があります。我々から診てそれを患者さんが行っているとはとても思えません。身体に口があれば、「こんなに負担をかけていて、この程度の治療?」と言うでしょう。ではどうやって治る条件を探せばいいのでしょうか。身体は常に治りたくてうずうずしていますので、何か身体が反応するスイッチを見つけることが大事です。例えば、便秘の場合、たまたま何かを食べたらお通じが良かったとか、いつもより早歩きしたら腰が楽だったとか、身体は受けた刺激に対してちゃんと反応しています。それを感じるか無視するかは本人次第ですが、とても大事な事です。そこがわかると、「1回ゴルフをやった後、3日間安静にすると調子が良い。その時に断食をしたらもっと良かった。」みたいに身体のスイッチが自覚できます。このデータを積み重ねていくことが本人にしか通用しないとっておきの健康法なのです。最近よく坐骨神経痛の酷い方が通っていて「これだけ辛いと手術を考えている」と言っていますが、私から見たらまだまだ沢山やることがあるのです。しかし患者さんは何をやったらいいか分かりません。そこは我々に聞いて下さい。我々は職業ですから、あの手この手と知っています。十分情報がなければいくらでも専門の先生に聞けます。そのくらいの人脈はあります。そういう努力もしないで、「どうして治らないのでしょうか?」と言われても困ってしまいます。患者さんの中には努力をして治らない方もいます。そういう時の理由は2つで、「治療のピントがずれている」、もしくは「この世に治せる治療法が存在しない」です。ピントがずれている方は、正しい方向を指導しますし、この世にないものは出しようがないので、現世では受け入れて生きるしかありません。そこを悟ってしまうと、案外患者さんは悩まないものです。悩む方は「努力が足らない」か「ピントがずれている」かです。
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